FLOWENS CAT
健康管理2026-04-29 | 更新 2026-10-15

【2026年版】エキゾチックショートヘアのかかりやすい病気7選|症状・受診タイミング・日常ケアをブリーダーが解説

エキゾチックショートヘアがかかりやすい病気7選(腎臓の病気・鼻がつまりやすい体質・心臓の病気・涙やけ・尿石症など)と、症状別の受診タイミング・日常ケア手順をブリーダーが解説します。

【2026年版】エキゾチックショートヘアのかかりやすい病気7選|症状・受診タイミング・日常ケアをブリーダーが解説

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目次ひらく(全15章)
  1. 01エキゾチックショートヘアが病気になりやすい理由
  2. 021. PKD(多発性嚢胞腎)|ブリーダー選びで防げる遺伝病
  3. 032. 短頭種気道症候群(BOAS)|鼻づまり・いびきの原因
  4. 043. HCM(肥大型心筋症)|無症状で進行する心疾患
  5. 054. 流涙症・涙やけ(鼻涙管狭窄)|毎日のケアで悪化を防ぐ
  6. 065. シュウ酸カルシウム尿石症|エキゾに多い泌尿器リスク
  7. 076. 歯周病|短頭種は特にリスクが高い
  8. 087. 熱中症|夏の室温管理は最優先
  9. 09症状別「様子見 vs すぐ受診」判断表
  10. 10ペット保険はエキゾに特に重要な理由
  11. 11Flowens Cat の健康管理への取り組み
  12. 12よくある質問
  13. 13まとめ — エキゾチックショートヘアの健康を守るために
  14. 14参考文献・出典
  15. 15免責事項

この記事の要点 エキゾチックショートヘアが特に注意すべき病気は「PKD(多発性嚢胞腎)」「短頭種気道症候群(BOAS)」「HCM(肥大型心筋症)」「涙やけ・眼疾患」「シュウ酸カルシウム尿石症」「歯周病(ししゅうびょう)」「熱中症」の7つ。ペルシャ系の猫の PKD は、遺伝子検査が広まる前のオーストラリアの超音波検査で4割を超える猫に見つかっていましたが、親猫の検査で陰性を確かめた繁殖では、その心配を減らせます。親猫の遺伝子検査を確かめた血統選び+日常ケア+年1〜2回の定期検診が健康管理の三本柱です。

監修: Flowens Cat ブリーダーチーム(関東 7・中部 3 の全国 10 拠点で猫の繁殖・健康管理を担当) 最終更新: 2026 年 10 月


エキゾチックショートヘアが病気になりやすい理由

エキゾチックショートヘアの短頭種構造を示す解剖イラスト。狭い鼻腔・曲がった鼻涙管・密集した歯並びがリスクを生む

エキゾチックショートヘアは、ペルシャ猫を原種とする短頭種(ブラキセファリック)です。つぶれた顔の骨格が可愛らしさの源でありながら、気道・鼻涙管・歯並びなど複数の部位に構造的な負担をかける側面も持っています。

また親品種ペルシャから受け継いだ PKD(多発性嚢胞腎)の遺伝リスクや、体型に由来する肥満・尿路疾患のなりやすさも加わります。ただし「リスクがある=必ず発症する」ではありません。正しい知識を持ち、日常ケアと定期検診を続けることで、多くのリスクは管理できます。


1. PKD(多発性嚢胞腎)|ブリーダー選びで防げる遺伝病

エキゾチックショートヘアとDNAスワブ検査キット・血統図。陰性×陰性ならPKDは防げる、親猫のDNA検査証明書を必ず確認

PKD とは、腎臓に液体が溜まった嚢胞(のうほう)が多数形成され、ゆっくりと腎機能を低下させる遺伝性疾患です。エキゾチックショートヘアはペルシャと同じ PKD1 遺伝子変異を引き継ぐリスクがあり、品種として最も重要な遺伝病です。

PKD の有病率——数字で知るリスクの大きさ

2001年に *Australian Veterinary Journal*(Aust Vet J)に掲載された研究では、オーストラリアのペルシャ系の猫320頭(ペルシャ230頭、ヒマラヤン48頭、エキゾチック17頭など)を腎臓の超音波検査で調べたところ、PKD が見つかった割合はシドニーで45%、ブリスベンで42%でした(Barrs ら, Aust Vet J 2001)。遺伝子検査が広まる前の調査です。日本では、保険に入っている猫と遺伝子検査を受けた猫のデータを調べた2026年の研究(Ukawa ら, BMC Genomics 2026)で、2019年から2022年のあいだに、PKD の変異を1つ持つペルシャの割合が38.8%減ったと報告されています。著者は、遺伝子検査が広まったことが、PKD のリスクを減らす繁殖につながったと考察しています。

PKD の進行と主な症状(進行してから現れやすい)

  • 飲水量・尿量の増加
  • 体重の緩やかな減少
  • 食欲の低下、嘔吐
  • 元気のなさ(慢性的なだるさ)

症状が出る頃には腎機能がかなり低下していることが多いので、症状が出る前に動物病院で調べてもらうことが大切です。腎臓の嚢胞は超音波検査で、腎臓の働きは血液検査・尿検査で確かめます。根治治療はなく、進行を遅らせる対症療法が中心になります。

PKD の検査方法

PKD の調べ方は、遺伝子検査(口の中の粘膜や血液の DNA を調べる)と、腹部の超音波検査(腎臓の嚢胞を見る)の2通りです。費用や所要期間は検査機関や動物病院で変わるので、受けるときは見積もりを確かめてください。

「陰性 × 陰性」の親猫からは PKD1 陽性の子猫は生まれないため、親猫の検査結果をブリーダーに尋ねることが最大のリスク低減策です。

Flowens Cat の PKD 対応

当キャッテリーでは、繁殖に使う親猫に、PKD・HCM(2種類)・PK欠損症の遺伝子検査を実施しています(子猫個体の検査は行っていません)。お迎えのときには、親猫の検査結果をもとにした「遺伝子疾患リスクの証明書」(当社発行)を紙でお渡ししています。詳細は健康管理ページをご覧ください。


2. 短頭種気道症候群(BOAS)|鼻づまり・いびきの原因

毛布の上で丸まって眠るエキゾチックショートヘア。短頭種はいびきや鼻音が出やすく、安静時の呼吸を観察したい

BOAS とは、鼻孔(鼻の穴)や鼻腔が構造的に狭く、呼吸に慢性的な負荷がかかる症候群です(Brachycephalic Obstructive Airway Syndrome)。エキゾチックショートヘアを飼っている方が最も気になる「鼻づまり」「いびき」の多くは、このBOAS が背景にあります。

BOAS の発症率——短頭種では高頻度

「短頭種猫の86%に呼吸器の異常」という数字をよく見かけますが、正しくは、スウェーデンの研究(Anagrius ら, J Feline Med Surg 2021)で、キャットショーに出ていたペルシャとエキゾチック76頭のうち86%に中〜重度の鼻の穴の狭さがあったという結果です。ショーに出る猫での結果で、短頭種の猫全体で呼吸器に異常がある割合ではありません。同じ研究で、週1回以上「呼吸の音が大きい・苦しそう」と感じていた飼い主は76頭中6頭でした。もう1つは、中国・英国などの飼い主1,000人への調査(Farnworth ら, PLOS ONE 2016)で、鼻の短さと呼吸スコアの悪さに強い相関があった(相関係数 -0.56)という結果です。鼻がつぶれているほど、寝ているときの呼吸音や運動後の息苦しさが増える傾向がはっきり出ています。多くは日常生活への支障が軽微ですが、重度になると外科処置が必要です。

呼吸の重さの目安(猫で確立した評価基準はまだない)

BOAS の重さを段階で分ける評価法は、犬で使われています。運動の前後で呼吸の音や苦しさを診て、グレード0〜3の4段階に分けるもので、犬14品種を調べた研究でも使われています(Tomlinson ら, PLOS ONE 2026)。

一方、猫の研究では、症状の重さを2段階に分けたもの(Chen ら, Animals 2026)、1〜3の3段階に分けたもの(Thouvenot Oudart ら, J Feline Med Surg 2026)など、研究ごとに別の分け方が使われていて、猫で共通に使われる評価基準はまだ固まっていません。 ペルシャとエキゾの研究でも、顔の形と機能的な BOAS の評価との関係を猫で調べた研究は、著者の知る限り発表されていないと書かれています(Anagrius ら, J Feline Med Surg 2021)。

そのため下の表は医学的な分類ではありません。受診を考えるときの目安として、よく見られる様子を重さの順に4つに並べたものです。

目安見られる様子対応の目安
軽い安静時の呼吸音なし、運動後も問題なし室温・体重の管理を続ける
やや重い安静時にいびき音あり、運動後に短時間の口呼吸室温・体重の管理に加え、健康診断のときに獣医師に相談
重い安静時に明らかな努力呼吸、食後のむせ早めに受診し、手術を含めた治療を獣医師と相談
緊急安静時の口呼吸・チアノーゼ(口や舌が青紫色)すぐに動物病院へ

日常で見られる症状と受診目安

症状重症度の目安
寝ているときのいびき軽度〜中等度(様子見でよい場合も)
安静時の「ガーガー・ゴロゴロ」音中等度(獣医師への相談を推奨)
興奮・遊び後の口呼吸中等度(頻繁なら受診を)
食後のむせ・逆流中等度〜重度(受診推奨)
安静時に口を開けて呼吸している重度(早急に受診)
口・舌が青紫になっている緊急(すぐに動物病院へ)

鼻づまりの自宅ケア(軽度の場合)

軽度の BOAS であれば、以下の環境管理で症状をやわらげることができます。

  1. 暑い時期は室温を26℃以下に保つ — 日本動物愛護協会が犬や猫に勧めている目安です。暑い環境は呼吸の負担を増やします
  2. 加湿器で湿度 50〜60% を維持する — 乾燥した空気は気道を刺激します
  3. ほこり・芳香剤・タバコ煙を避ける — 刺激物で鼻腔が炎症を起こします
  4. 食事は平皿で与える — 深い食器はむせの原因になります
  5. 肥満を予防する — 脂肪が気道をさらに圧迫します

Flowens Cat の BOAS 対策

当キャッテリーでは、繁殖に使う親猫の呼吸音、鼻の穴の開き方、あごのずれを見ています。呼吸音のグレードのような数値の基準は設けていません。「可愛い顔」と「楽な呼吸」の両方を大切にすることが、エキゾチックショートヘアを長く飼っていただくための土台だと考えているためです。

症状が強くなる・改善しないときは、鼻の穴を広げる手術(鼻孔拡大術)が選択肢になります。猫の BOAS は鼻の穴の狭さが中心で、犬に多い「軟口蓋(のどの奥のやわらかい部分)が長すぎる」例は、猫ではほとんど報告がありません(Thouvenot Oudart ら, J Feline Med Surg 2026)。


3. HCM(肥大型心筋症)|無症状で進行する心疾患

HCM とは、心臓の左心室の筋肉が厚くなり、心臓のポンプ機能が低下する疾患です。猫全般で最も多い遺伝性心疾患で、エキゾチックショートヘアも発症リスクを持ちます。

HCM の発症率と遺伝子変異

猫の HCM では、メインクーン(A31P型)とラグドール(R820W型)で、MYBPC3 という遺伝子の変異が原因の一つとして見つかっています。エキゾチックショートヘアでは、この品種に特有の原因遺伝子はまだ見つかっていません。 そのため、親猫の遺伝子検査で陰性でも、HCM が起きないとは言い切れません。

怖いのは「症状が出にくい」こと。 多くの場合、かなり進行するまで外見上は普通に見えます。次のような変化に気づいたら受診のサインです。

  • 呼吸が速い・浅い(安静時に胸が激しく動く)
  • 運動を嫌がる・すぐに疲れる
  • 食欲低下が続く
  • 突然の後肢の麻痺(血栓症の併発)

早く見つけるには、心臓のエコー検査がいちばん確実です。 5 歳を超えたら年 1〜2 回のエコー検査を習慣にしましょう。

Flowens Cat の HCM 対応

当キャッテリーでは、繁殖親猫全頭にHCM遺伝子検査(2種)を実施し、陽性個体は繁殖ペアから外す方針です。正直にお伝えすると、心臓エコー検査までは実施していないため、お迎え後はかかりつけ医での定期的なエコー検査(年1回以上)をおすすめしています。検査内容の詳細はお迎えの流れからお気軽にお問い合わせください。


4. 流涙症・涙やけ(鼻涙管狭窄)|毎日のケアで悪化を防ぐ

コットンでエキゾチックショートヘアの目元をやさしく拭く飼い主。毎日の目元ケアで涙やけの悪化を防ぐ

短頭種は鼻涙管が曲がっているため、涙が正常に鼻腔へ流れず目の周りにあふれ出します。慢性的な涙で目頭〜頬の皮膚が茶色く変色する「涙やけ」は、エキゾチックショートヘアでよく見られるトラブルです。ショーに出ていたペルシャとエキゾチック76頭では、83%に涙のあふれが見られました(Anagrius ら, 2021)。

放置するリスク: 皮膚が常に湿っていると細菌・カビが繁殖しやすくなり、皮膚炎・結膜炎(けつまくえん)・角膜炎へと発展することがあります。

毎日の目元ケア手順(推奨)

  1. 猫用ウェットティッシュまたは生理食塩水で湿らせたコットンを用意する
  2. 目頭から外側に向かって、やさしく一方向に拭く(こすらない)
  3. 反対の目も清潔な面で同じように拭く
  4. 毛が湿ったままにしない(乾いたガーゼで軽く押さえて水分を取る)

Flowens Cat の子猫での流涙症ケア

当キャッテリーでは、子猫のうちから目元の涙を拭くケアをしています。お迎えのあとも、上の手順で毎日拭いてあげてください。

涙の量が急に増えた・目が充血している・目やにが黄色や緑になった場合は、感染症のサインの可能性があるため、早めに受診してください。猫の目やに・涙やけのケア方法も参考にどうぞ。


5. シュウ酸カルシウム尿石症|エキゾに多い泌尿器リスク

流水式給水器・浅い水皿・グラスを複数配置した給水ステーション。水を飲める場所を増やすことが結石予防の基本

シュウ酸カルシウム結石は、ペルシャやヒマラヤンなど、ペルシャ系の品種に多いと報告されています。カナダの結石検査センターに届いた猫の膀胱結石2万1千件あまりを調べた研究では、ふつうの短毛の猫と比べて、ペルシャとヒマラヤンはシュウ酸カルシウム結石の検体として届く割合が有意に多い、という結果でした(Houston ら, Can Vet J 2016)。エキゾチックショートヘアもペルシャと同じ系統なので、同じように注意しておくと安心です。雄猫は特に尿道が細いため、重症化リスクが高まります。

シュウ酸カルシウム尿石症の症状

  • 頻繁にトイレに行くが尿の量が少ない
  • 排尿時に鳴く・苦しそうにいきむ
  • 血尿(ピンク〜赤みがかった尿)
  • トイレ外での粗相

ストルバイト結石(若齢に多い)とは異なり、シュウ酸カルシウム結石は食事療法だけでは溶かせません。 外科的な摘出が必要になるケースもあるため、早期発見が重要です。

予防のポイント

  • 新鮮な水をいつでも飲める環境を作る(複数か所にウォーターボウルを置く)
  • 療法食への変更は獣医師と相談(過度なカルシウム制限は逆効果)
  • 年1回の尿検査で結晶の有無を確認する
  • 運動量を確保して体重を適正に保つ

尿が出ていない・極端に少ない場合は、尿道閉塞(命に関わる緊急状態)の可能性があります。24 時間以内に動物病院へ。


6. 歯周病|短頭種は特にリスクが高い

短頭種は顎が短く歯が密集しているため、歯垢・歯石が溜まりやすく、一般猫よりも歯周病になりやすい傾向があります。歯周病が重度になると、細菌が血流に乗って心臓・腎臓へ影響することも指摘されており、デンタルケアは全身の健康に直結します。

歯周病のサイン

  • 口臭が強くなった
  • よだれが増えた
  • 食事中に口を気にする・痛そうにする
  • 歯ぐきが赤く腫れている

子猫期から始める歯磨き習慣が最大の予防策です。 成猫になってから急に始めると嫌がることが多いため、お迎え直後から口周りに触れることに慣れさせてください。指ブラシ→猫用歯ブラシの順で段階的に移行するのが成功の近道です。最低週 2〜3 回、理想は毎日の歯磨きを目指しましょう。


7. 熱中症|夏の室温管理は最優先

エキゾチックショートヘアは鼻腔が狭く、暑さで呼吸の負担が増えやすいため、夏場は特に気をつけたい品種です。夏場の室温管理は命に関わる重要事項です。

熱中症のサイン(夏場は特に注意)

  • ハアハアと激しい口呼吸(パンティング)
  • よだれが大量に出る
  • 足元がふらつく・倒れる
  • 意識が朦朧としている

緊急対応: 涼しい場所に移動させ、濡らしたタオルで体を包んで体温を下げながら、すぐに動物病院へ連絡してください。

予防の鉄則

  • 暑い時期は室温26℃以下を保つ(日本動物愛護協会が犬や猫に勧めている目安)。暑さで呼吸が苦しくなりやすいぶん、この目安を超えないようにしてください
  • 湿度は 60% 以下を目安に
  • 外出時でもエアコンは切らない
  • 猫が自由に涼しい場所へ移動できるよう部屋を開放しておく


症状別「様子見 vs すぐ受診」判断表

エキゾチックショートヘアでよく見られる症状ごとに、対応の目安をまとめました。

症状様子見でよい目安受診が必要な目安
いびき・鼻音以前からあり・生活に支障なし急に悪化・口呼吸が増えた
目やに・涙やけ透明〜白で少量・毎日ケアで管理できている黄色・緑・量が急増・充血あり
くしゃみ日に 1〜3 回程度・透明な鼻水連続くしゃみ・黄色い鼻水・食欲低下
頻尿・血尿—少しでも見られたら即受診
食欲低下1〜2 食スキップ・元気あり2 日以上続く・元気がない
嘔吐月 1〜2 回程度・毛玉由来週複数回・血が混じる・食欲低下を伴う
口臭—強い臭い・よだれ増加
呼吸が速い(安静時)—即受診(胸腹部を激しく動かしている)

ペット保険はエキゾに特に重要な理由

エキゾチックショートヘアは、短頭種特有の疾患・遺伝性疾患・尿路疾患など、複数の治療コストが重なる可能性がある品種です。BOAS 外科処置・HCM の継続投薬・尿石症の摘出手術はいずれも高額になる傾向があります。

治療にかかる費用

鼻孔拡大術などの BOAS の手術、HCM の継続的な薬、尿石症の摘出手術、腎臓病の点滴や薬は、いずれも通院が長く続いたり、手術や入院が必要になったりします。金額は、動物病院や症状の重さ・進み方によって大きく変わります。実際の費用は、かかる動物病院で見積もりを確認してください。

ペット保険を検討する際のポイント

  • 先天性・遺伝性疾患が補償対象か確認する(除外する保険も多い)
  • 慢性疾患の長期補償(更新時に除外されないか)を確認する
  • 手術補償の上限金額が十分か確認する

お迎え直後(健康な子猫の段階)に加入するのが、補償範囲が最も広くなるタイミングです。詳しくは猫のペット保険の選び方もご参照ください。


Flowens Cat の健康管理への取り組み

テーブルの上のクリーム色のエキゾチックショートヘアの子猫の目元を、やわらかいガーゼでそっと拭く人

当キャッテリーでは、エキゾチックショートヘアの健康リスクを踏まえ、以下を実施しています(2026 年 10 月時点)。

項目内容
親猫の遺伝子検査繁殖に使う親猫に、PKD・HCM(2種類)・PK欠損症を実施(子猫個体の検査は行っていません)。HCM・PKD 陽性の親猫は繁殖ペアから外します
(HCM 心臓エコー検査は実施していません)獣医師の視診・触診・聴診による健康診断で対応しています
親猫の呼吸と顔立ち(BOAS 対策)呼吸音、鼻の穴の開き方、あごのずれを見ています(数値の基準は設けていません)
目元のケア子猫のうちから、目元の涙を拭くケアをしています
お渡し前の健康診断提携の獣医師による視診・触診・聴診。体重・体温も記録し、署名入りの健康診断書を1頭ずつ発行します
お迎え後のご相談LINE でブリーダーに、生涯いつでも相談できます
「可愛い顔」と「健全な呼吸・健康な体」を両立させた個体を育てることが、長く一緒に暮らせるエキゾチックショートヘアへの責任だと考えています。

現在ご紹介できる子猫は子猫一覧からご確認いただけます。エキゾチックショートヘアの品種ページから、各子猫のページに進むと、親猫の検査結果をもとにした遺伝子検査の項目もご覧いただけます。


よくある質問

エキゾチックショートヘアはどんな病気にかかりやすいですか?

最も注意すべきは「PKD(多発性嚢胞腎)」「短頭種気道症候群(BOAS)」「HCM(肥大型心筋症)」の3つです。加えて、涙やけ・シュウ酸カルシウム尿石症・歯周病・熱中症にも気をつける必要があります。いずれも早期発見と日常ケアで管理できるものが中心です。

エキゾチックショートヘアの鼻づまり・いびきは病気ですか?

生まれつきの骨格構造(短頭種気道症候群)による場合がほとんどで、寝ているときのいびきや運動後の短い口呼吸くらいなら、生活に支障がない子も多くいます。ただし「安静時に口を開けて呼吸している」「急にいびきが悪化した」場合はすぐに動物病院を受診し、「口・舌が青紫になっている」ときは緊急です。なお、呼吸の重さを段階で分ける評価法は犬のもので、猫で確立した基準は見つかっていません(本文の「呼吸の重さの目安」を参照)。

PKD 遺伝子検査をしていないブリーダーから迎えてしまいました。どうすればいいですか?

まずかかりつけの動物病院で PKD の遺伝子検査(血液または口腔粘膜の DNA 検査)を受けることをおすすめします。また年 1 回の血液検査・尿検査で腎機能を定期的にモニタリングすることが大切です。早期発見できれば、食事管理・水分摂取促進など対処の選択肢が増えます。

エキゾチックショートヘアの涙やけはケアで改善しますか?

毎日の目元ケアで悪化を防ぐことはできますが、骨格上の涙の出やすさは変わらないため「完全にゼロ」にはなりません。ただし慢性的な皮膚炎や感染症への発展は適切なケアで防げます。改善が見られない・涙の量が急増した場合は、鼻涙管洗浄などの処置を動物病院で相談しましょう。

エキゾチックショートヘアのペット保険、どう選べばいいですか?

先天性・遺伝性疾患が補償対象かを最初に確認してください。慢性疾患(腎臓・心臓)の長期補償、手術費用の上限額も重要なチェックポイントです。健康な子猫のうちに加入するほど除外事項が少なくなるため、お迎え直後の加入がおすすめです。

年齢別に気をつけることは違いますか?

はい。子猫期(0〜1 歳)はワクチン・PKD 確認・デンタルケアの習慣化が優先です。若齢〜中年期(1〜7 歳)は体重・目ケア・年 1 回検診を継続します。シニア期(7 歳〜)からは検診を年 2 回に増やし、腎機能・心臓エコー・口腔内を重点的に確認しましょう。エキゾチックショートヘアの寿命と健康管理に年齢別ケア表を詳しくまとめています。

BOAS の外科手術はどのタイミングで検討すればいいですか?

安静時にも明らかに苦しそうな呼吸や、食後のむせが続くようなら、手術が選択肢になるかを呼吸器にくわしい獣医師に相談してください。猫の手術は、鼻の穴を広げる鼻孔拡大術が中心です。鼻孔拡大術を受けた猫37頭の研究では、全頭で術後に呼吸の症状が改善し、年齢・性別・品種は結果に影響しませんでした(Thouvenot Oudart ら, J Feline Med Surg 2026)。費用は動物病院や症状の重さで大きく変わるため、かかる動物病院で見積もりを確認してください。


まとめ — エキゾチックショートヘアの健康を守るために

エキゾチックショートヘアはリスクがゼロの品種ではありませんが、正しい知識・適切なブリーダー選び・日常ケア・定期検診の4点が揃えば、長く元気に暮らすことは十分に可能です。

  • PKD → 遺伝子検査済み(陰性確認)の血統を選ぶ(検査が広まる前は、超音波検査で4割を超える猫に見つかっていた)
  • BOAS(鼻づまり) → 安静時の呼吸や寝ているときの音を日ごろから見ておく・室温管理・体重管理
  • HCM → 定期的な心臓エコー(5 歳以降は特に年 1〜2 回)
  • 涙やけ → 毎日の目元ケアを習慣に(子猫期からの慣らしが鍵)
  • 尿石症 → 水分補給・年 1 回の尿検査
  • 歯周病 → 子猫期からのデンタルケア習慣化
  • 熱中症 → 暑い時期は室温26℃以下(日本動物愛護協会の目安)を保つ

お迎えを検討中の方は、エキゾチックショートヘアの子猫一覧から親猫・遺伝子検査の状況をご確認ください。性格・飼いやすさについてはエキゾチックショートヘアの性格記事も、寿命・年齢別ケアについてはエキゾチックショートヘアの寿命記事もあわせてどうぞ。お迎えの流れからいつでもご相談いただけます。


参考文献・出典

本記事の数値・統計は以下の一次資料を参照しています(2026 年 10 月に確認)。

  1. Barrs VR ら「Prevalence of autosomal dominant polycystic kidney disease in Persian cats and related-breeds in Sydney and Brisbane」*Aust Vet J* 2001 — PubMed
  2. Anagrius KL ら「Facial conformation characteristics in Persian and Exotic Shorthair cats」*J Feline Med Surg* 2021 — PMC
  3. Farnworth MJ ら「Flat Feline Faces: Is Brachycephaly Associated with Respiratory Abnormalities in the Domestic Cat (*Felis catus*)?」*PLOS ONE* 2016 — PubMed
  4. Tomlinson F ら「A cross-sectional study into the prevalence and conformational risk factors of BOAS across fourteen brachycephalic dog breeds」*PLOS ONE* 2026(犬の BOAS の評価法)— PubMed
  5. Chen CR ら「Characterization of Brachycephalic Obstructive Airway Syndrome in Cats Using Barometric Whole-Body Plethysmography」*Animals* 2026 — PubMed
  6. Thouvenot Oudart E ら「Stenotic nares treatment in 37 brachycephalic cats by ala vestibuloplasty: 2017-2025」*J Feline Med Surg* 2026 — PubMed
  7. 日本動物愛護協会「熱中症について」(暑い時期の室温26℃以下)— 日本動物愛護協会
  8. TICA 品種標準・健康情報(エキゾチックショートヘア)— TICA公式
  9. Houston DM ら「Evaluation of 21 426 feline bladder urolith submissions to the Canadian Veterinary Urolith Centre (1998-2014)」*Can Vet J* 2016(ペルシャ・ヒマラヤンとシュウ酸カルシウム結石)— PubMed
  10. Ukawa H ら「Widespread genetic testing controls inherited polycystic kidney disease while avoiding inbreeding in cats」*BMC Genomics* 2026(日本の猫の PKD 変異の推移)— PubMed


免責事項

本記事は、Flowens Cat ブリーダーチームが一般的な情報提供を目的として作成したものです。記事内の情報は 2026 年 10 月時点のものであり、医学的・獣医学的な診断・治療の代替となるものではありません。お手元の猫の健康状態に関する判断・処置については、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。

※ 記事内の画像はイメージです。実際にお迎えいただける子猫の写真は子猫一覧でご覧いただけます。

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