
目次ひらく(全12章)
- 01この記事の要点
- 02猫の目やにの色で原因が分かる|緑・黄・白・黒の早見表
- 03緑色の目やには細菌感染のサイン|当日中に受診すべき理由
- 04黄色の目やにはどう対処する?見逃しやすい猫風邪の初期サイン
- 05黒・茶色の目やには正常範囲?量と状態で判断するポイント
- 06白い目やにの原因はアレルギーか細菌感染か|量と粘度で見分ける
- 07猫の目やにが急に増えた原因4つ|感染症・アレルギー・鼻涙管閉塞など
- 08猫の目やにの正しい拭き方|やってはいけない5つのNGも解説
- 09品種別の目やに傾向|ペルシャ・エキゾチックショートヘアなど短頭種は要注意
- 10涙が多い・涙やけが気になるとき|「目やに」とは別の問題として見る
- 11よくある質問
- 12まとめ:目やには「色と量の変化」を見るのが最初のステップ
この記事の要点:猫の目やには色で緊急度が変わる。黄色・緑色は当日受診、茶色・黒色(少量)は正常範囲。短頭種は毎日の拭き取りケアが必須。
注意:この記事は一般的な情報提供を目的としています。目やにの量が急に増えた・色が黄色や緑色に変わった・目を開けにくそうにしているなど、気になる症状がある場合はまず動物病院を受診してください。自己判断による市販薬の使用は症状を悪化させる可能性があります。
この記事の要点
| 目やにの状態 | 緊急度 |
|---|---|
| 少量・乾いた茶色〜黒色・左右同じ量 | 正常範囲。様子見で可 |
| 量が急に増えた・白っぽくベタつく | 翌日中に受診を検討 |
| 黄色・緑色・粘り気が強い | 当日中に受診 |
| 目を開けにくそう・充血している | すぐに受診 |
| 片目だけ大量に出る | すぐに受診 |
猫の目やにの色で原因が分かる|緑・黄・白・黒の早見表

目やにの色はそのまま原因のヒントになります。 色と原因の対応をまず把握しておくと、受診の判断が速くなります。
| 色 | 考えられる原因 | 緊急度 |
|---|---|---|
| 茶色・黒色(少量・乾燥) | 正常な代謝産物(酸化した涙) | 低:日常ケアで対応 |
| 白色・乳白色(少量) | 涙の成分変化、アレルギー初期 | 低〜中:量が増えれば受診 |
| 白色・白濁(ベタつく・大量) | 細菌感染、結膜炎(けつまくえん) | 中:翌日受診を推奨 |
| 黄色・緑色 | 細菌の二次感染、猫風邪(ヘルペス・カリシ)、クラミジア | 高:当日中に受診 |
| 赤みがかった・血混じり | 角膜の傷、眼球外傷、緑内障 | 最高:すぐに受診 |
緑色の目やには細菌感染のサイン|当日中に受診すべき理由

緑色の目やには細菌感染のサインです。 放置すると角膜潰瘍や失明リスクがあるため、当日中の受診を強く推奨します。
最も多い原因は猫風邪(猫ヘルペスウイルス FHV-1・猫カリシウイルス FCV)に伴う二次細菌感染です。ウイルスが結膜の粘膜を傷つけ、そこへ細菌が入り込むことで緑色の膿性分泌物が生じます。クラミジア感染症も緑色の目やに・結膜充血を引き起こす代表的な原因で、子猫や多頭飼育環境で広がりやすい点が特徴です(詳しくは日本獣医師会の公式サイトもご参照ください)。
動物病院では点眼薬(抗生物質)や抗ウイルス薬が処方されます。自宅で市販の目薬を使用することは、成分が猫に適さないケースがあるため避けてください。目やにが緑色に変化したときの詳しい病態については猫の結膜炎の原因と治り方もあわせてご参照ください。
黄色の目やにはどう対処する?見逃しやすい猫風邪の初期サイン
黄色の目やには緑色と同様、細菌感染・炎症の初期段階を示すことが多いです。
緑色よりやや早い段階(炎症が浅い・軽い)と考えられますが、放置すると緑色に変化したり症状が重くなったりするリスクがあります。特に以下の症状が重なる場合は当日中に受診してください。
- 黄色い目やにとくしゃみが同時に出ている(猫風邪の典型パターン)
- 目を細めてまぶしそうにしている
- 片目だけ黄色い目やにが出る(片側の感染や外傷の可能性)
当キャッテリーへのご相談でも「黄色い目やにが出てきてくしゃみも増えた」というケースは多く、猫ヘルペスウイルスの初期症状として対応することが大半です。 子猫のくしゃみが気になる方はこちらも合わせてご覧ください。
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黒・茶色の目やには正常範囲?量と状態で判断するポイント
少量で乾燥した黒・茶色の目やには正常範囲です。 ただし量や状態に注意が必要なケースがあります。
毎日の目頭に少量たまる乾いた黒〜茶色の目やには、涙の成分(ポルフィリン)の酸化によるものです。起床後に拭き取るだけで十分で、病的ではありません。
一方、以下の状態は要注意です。
- 量が急に増えた(昨日まではなかったのに)
- 湿っていてベタつく黒い目やに
- 目の周囲が常に濡れて茶色く変色している(鼻涙管の詰まりの可能性)
鼻涙管閉塞はペルシャやエキゾチックショートヘアなど鼻ぺちゃ品種に多く見られます。この点は後述の品種別傾向の項目で詳しく解説します。
白い目やにの原因はアレルギーか細菌感染か|量と粘度で見分ける
少量の白色目やにはアレルギーや軽い刺激が原因のことが多く、緊急度は低めです。 ただし粘度が高く大量に出る白濁した目やには細菌感染を示します。アレルギー性の目やにについては猫アレルギーの原因と対策で詳しく解説しています。
白い目やにの原因別の特徴は以下の通りです。
| パターン | 特徴 | 対応 |
|---|---|---|
| サラサラした白・少量 | ほこりや花粉などの刺激、軽いアレルギー | 様子見・環境改善 |
| ベタつく白・やや多量 | 細菌性結膜炎の初期 | 翌日中に受診 |
| 白濁・大量・まぶた腫れ | 細菌感染が進行している | 当日中に受診 |
猫の目やにが急に増えた原因4つ|感染症・アレルギー・鼻涙管閉塞など

目やにの量が増えた場合に最も多い原因は感染症と環境刺激です。
感染症(猫風邪・クラミジア)以外で目やにが増える主な原因を整理します。
- アレルギー:花粉・ハウスダスト・フードアレルギーで透明〜白色の目やにが増えることがある
- 逆さまつ毛(睫毛乱生):角膜を刺激して涙・目やにを増やす。特に若い猫や特定品種に見られる
- ドライアイ(乾性角結膜炎):涙の量・質の低下で粘性の高い目やにが増える。成猫以降に多い
- 鼻涙管閉塞:涙の排泄路が詰まり、目の周囲に常に涙・目やにが溜まる
多頭飼育の場合は感染症の拡大リスクがあります。1匹に目やにの増加が見られたら他の猫と接触させず、早めに受診して感染拡大を防いでください。
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猫の目やにの正しい拭き方|やってはいけない5つのNGも解説

目やにを拭くときは専用のコットン・ガーゼを使い、目頭から目尻に向けてやさしく1回拭くのが基本です。
正しい手順は以下の通りです。
- 清潔なコットンまたはガーゼを生理食塩水または38℃程度のぬるま湯で湿らせる
- 猫を膝の上で落ち着かせ、顔を固定する
- 目頭(鼻側)から目尻(耳側)の方向へ、1方向で1回拭く(往復しない)
- 左右で必ず別のコットンを使う(感染を片目からもう一方に移さないため)
- 拭いた後は乾燥した状態にする(濡れたまま放置しない)
やってはいけないこと
- 綿棒で目の内部に触れる(角膜を傷つける危険)
- ティッシュをそのまま使う(繊維が残りやすい)
- 人間用の目薬・市販の点眼薬を使う
- 力を入れてこすり取ろうとする(乾燥した目やには少量の水で柔らかくしてから拭く)
毎日のケアとして目頭を確認する習慣をつけると、異常の早期発見にもつながります。子猫の健康チェックについて詳しくはこちらもご参照ください。
品種別の目やに傾向|ペルシャ・エキゾチックショートヘアなど短頭種は要注意

鼻ぺちゃ(短頭種)の猫は、顔の構造上、目やにが多くなりやすい傾向があります。
ペルシャやエキゾチックショートヘアは、頭骨が丸く鼻が短い構造のため、鼻涙管(目から鼻に涙を排泄する管)が曲がりやすく詰まりやすい特徴があります。その結果、正常な猫と比べて目の周囲が涙で常に濡れ、茶色〜赤茶色の被毛の変色(涙やけ)が起きやすくなります。エキゾチックショートヘア固有の健康リスクはエキゾチックショートヘアのかかりやすい病気でまとめています。
| 品種の特徴 | 目やに傾向 | 主なケア |
|---|---|---|
| 短頭種(ペルシャ・エキゾ・ヒマラヤン等) | 鼻涙管閉塞による涙やけ・目やに多め | 毎日拭き取り・鼻涙管洗浄(獣医師相談) |
| 長毛種(ノルウェージャン・ラグドール等) | 被毛が目に入りやすい。逆さまつ毛に注意 | 目周辺の毛をトリミング |
| 短毛種(アメリカンショートヘア等) | 比較的目やには少ない | 通常の日常ケアで十分 |
涙が多い・涙やけが気になるとき|「目やに」とは別の問題として見る

透明な涙がずっと流れている・目頭の毛が赤茶色に変色している場合は、ここまで解説してきた「色のついた目やに」とは別の問題です。 涙の量そのものが増えている状態を、獣医学では「流涙症(りゅうるいしょう)」と呼びます。まずこの違いを整理しておくと、原因の絞り込みがぐっと楽になります。
| 症状 | 目やに(本記事の主テーマ) | 涙・涙やけ(流涙症) |
|---|---|---|
| 見た目 | 茶・黒・黄・緑など色がついた分泌物 | 透明でサラサラした涙 |
| 主な原因 | 感染症・アレルギー・炎症 | 鼻涙管の排出不良・逆さまつげ・異物・アレルギー |
| 被毛への影響 | 少ない | 目頭の被毛がポルフィリンで赤茶色に変色(涙やけ) |
- 鼻涙管(涙を鼻へ流す管)の構造的な狭窄・屈曲
- 逆さまつげ(睫毛乱生)による物理的な刺激
- アレルギー・ハウスダストなどの環境刺激
- 結膜炎の初期症状としての涙の増加(猫の結膜炎の原因と治り方で解説している「流涙症との鑑別」もあわせてご参照ください)
「短頭種だから涙やけする」と一括りにする前に、体型を確認していただくことをおすすめします。 猫の鼻涙管の走行を調べた解剖学的研究では、短頭種(鼻が短い品種)31頭と中頭種15頭のCT画像を比較した結果、短頭種では鼻涙管がV字状に大きく屈曲し、涙の排出が滞りやすい走行パターンが報告されています(Schlueter et al., 2009, *Journal of Feline Medicine and Surgery*, PMID: 19857852)。別の研究でも、短頭種・中頭種・長頭種あわせて50頭の鼻涙管を型取りして比較したところ、短頭種だけが直角に近い角度で急激に曲がる独自の走行を示したと報告されています(Breit et al., 2003, *Anatomia, Histologia, Embryologia*, PMID: 12919073)。
Flowens Catが実際に扱う9品種(マンチカン・ノルウェージャンフォレストキャット・ラグドール・サイベリアン・ブリティッシュショートヘア・ラガマフィン・エキゾチックショートヘア・アメリカンショートヘア・ミヌエット)のうち、上記の研究が指す「短頭種」の骨格に当てはまるのはエキゾチックショートヘアのみです。実際、エキゾチックショートヘアの子猫では生後まもない時期から目頭にうっすらと透明な涙が見られることが少なくありません(詳しい鑑別は結膜炎の記事で解説しています)。一方、他の8品種は骨格的に鼻涙管が曲がりやすい体型ではないため、涙が多いときは体型のせいと決めつけず、逆さまつげ・アレルギー・異物・結膜炎など別の原因を先に疑うのが実務上の順番だと考えています。
拭き方は本記事の「正しい拭き方」でご紹介した5ステップと同じですが、涙やけによる被毛の変色を防ぎたい場合は1日1〜2回に頻度を上げるのが基本です。 ここで一つ注意していただきたいのが、ホウ酸水を手作りして目元のケアに使う方法です。ホウ酸と精製水を混ぜた自作ケア用品を紹介している情報もありますが、猫は毛づくろいで顔まわりを頻繁に舐めるため、ホウ酸(塩)を継続的に口にするリスクを無視できません。Flowens Catでは自己判断でのDIYケアは避け、生理食塩水またはぬるま湯での拭き取りのみを推奨しています。
受診の目安は次のとおりです。慢性的に透明な涙が出ているだけで、充血や目やにの色の変化がなければ緊急性は高くありませんが、一度は動物病院で鼻涙管の状態を確認してもらうと安心です。一方、急に涙の量が増えた・片目だけ涙が多い・目やにの色が同時に変わった、という場合は本記事冒頭の早見表と同じく当日〜翌日中の受診を検討してください。
よくある質問
Q1. 猫の目やには毎日拭いた方がいいですか?
少量の乾いた黒〜茶色の目やにであれば、毎日拭く必要はありません。気になるときに目頭のものをやさしく取り除く程度で十分です。ただし短頭種(ペルシャ・エキゾチックショートヘアなど)は涙やけを防ぐために毎日拭くことを推奨します。
Q2. 猫が目をしきりに引っかくのは目やにのせいですか?
目やにが固まってまぶたに付着していると、猫が気にして前足でこすることがあります。この場合は湿らせたコットンで目やにを柔らかくして取り除いてください。目やにを取り除いても引っかき続ける場合は角膜の傷やアレルギーの可能性があるため受診を検討してください。
Q3. 子猫の目やにはいつごろから出るものですか?
子猫は生後10〜14日ごろに目が開きます。目が開いて間もない時期は目やにが多めのことがありますが、徐々に減るのが正常です。目が開いた後も大量に目やにが出る・目が開きにくいという場合は新生子猫結膜炎の可能性があるため、ブリーダーまたは獣医師に相談してください。
Q4. 目やにが出ているのに猫が元気で食欲もある。病院に行くべきですか?
目やにの色が黄色・緑色の場合は、元気があっても当日中に受診してください。感染症は初期段階のほうが治療期間が短く回復も早いためです。茶色・白色で少量・元気あり・食欲ありの場合は、2〜3日様子を見て変化がなければ次回のワクチン受診時に相談する程度で問題ありません。
Q5. 猫の目が赤い(充血している)のは目やにと関係がありますか?
目の充血と目やにはセットで現れることが多く、どちらも結膜炎・角膜炎・眼圧上昇(緑内障)などのサインです。充血が強い・目やにが多い・目を開けにくそうにしている場合は緊急度が高く、当日中の受診が必要です。
Q6. Flowens Cat から迎えた子猫に目やにが出てきた場合どうすればいいですか?
まず色・量・両目か片目かを確認して記録してください。少量の乾いた茶色の目やにであれば環境変化による一時的なものが多く、様子見で問題ありません。黄色・緑色・大量に出ている場合は動物病院を受診の上、Flowens Cat にもご連絡ください。お迎え後の健康相談は随時対応しています。
Q7. 猫の涙がずっと出ているのは涙やけの始まりですか?
透明でサラサラした涙が続く場合は、ここまで解説してきた色つきの「目やに」ではなく「涙やけ(流涙症)」の可能性があります。Flowens Cat が扱う9品種のうち構造的に涙やけが出やすいのはエキゾチックショートヘアのみで、他の品種で涙が多いときは体型のせいと決めつけず、逆さまつげ・アレルギー・結膜炎など別の原因を先に疑うのが実務上の順番です。充血や目やにの色の変化を伴わなければ緊急性は高くありませんが、一度は動物病院で鼻涙管の状態を確認してもらうと安心です。
まとめ:目やには「色と量の変化」を見るのが最初のステップ
猫の目やには、毎朝少量の乾いた茶色〜黒色のものが出るのは正常です。問題になるのは黄色・緑色への変色、量の急増、粘り気の増加、左右差が出たときです。
特に短頭種のペルシャやエキゾチックショートヘアは構造上目やにが多くなりやすく、日常的なケアと定期的な動物病院での確認が欠かせません。感染症は初期対応が早いほど回復も早いため、「様子を見すぎる」より「少し早めに受診する」のが猫の目を守る最善策です。
Flowens Cat では、お迎え前の遺伝子検査・健康診断に加え、お迎え後の健康相談も無期限で対応しています。「これは受診すべき?」と迷ったら、お気軽にご相談ください。健康管理のページでは日常ケアの全体像も解説しています。
※ 記事内の画像はイメージです。実際にお迎えいただける子猫の写真は子猫一覧でご覧いただけます。








