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この記事の要点:おとなしい猫の種類は、ラグドール、ブリティッシュショートヘア、ノルウェージャンフォレストキャット、エキゾチックショートヘアです。この4種類は、フィンランドの調査で「攻撃的・怖がり・外向的のどれも低い」穏やかな群に入りました。ただし同じ品種でも1匹ずつ違うので、最後は見学で子猫の反応を確かめます。「おとなしい猫の種類を教えてください」というご相談は、見学に来られる飼い主さんから本当によくいただきます。ところが「おとなしい」と「優しい」は、じつは同じ意味ではありません。かみつかない猫、ひざに乗ってくる猫、知らない人にも逃げない猫は、別の性格です。
この記事は品種の名前を並べるだけで終わらせず、日本とフィンランドの2つの調査をもとに「どの品種が、どの意味でおとなしいのか」を分けて見ていきます。そのうえで、品種より1匹ずつの差が大きいこと、子猫のうちに確かめる方法までお伝えします。
「優しい猫」は3つに分かれる|おとなしいだけでは選べない理由

「優しい猫」と探すときは、次の3つのどれを求めているかを先に決めると、品種選びがぶれません。
| 求めているもの | 言い換えると | 当てはまりやすい心配 |
|---|---|---|
| かみつきにくい | 人に攻撃的になりにくい | 小さなお子さん、ご高齢の家族がいる |
| くっつきたがる | 自分から人に近づく、甘える | 家にいる時間が長く、触れ合いたい |
| ものおじしない | 音や来客でおびえにくい | 来客が多い、ほかの猫や犬がいる |
当社の見学アンケートで、猫を探していた43人に問い合わせの決め手を3つまで選んでもらったところ、「性格のイメージに惹かれた」は9人(約2割)でした。「条件が一致していた」31人、「写真が可愛いと思った」30人のほうが多く、性格は見学で確かめる人が多いと読めます。だからこそ、見学の前に品種の傾向を知っておく価値があります。
攻撃性が低いのはどの猫?日本の獣医師67人の答え

攻撃性や敏感さが「とても低い」側にいたのは、メインクーン、ラグドール、スコティッシュフォールドの群です。ペルシャやヒマラヤンは、攻撃性が中くらいで、活発さが「とても低い」群でした。
小さな動物の診察をしている獣医師67人に、猫の品種ごとの行動の印象を聞いたアンケートです(2009年)。結果は「攻撃性・敏感さ」と「活発さ」の2つの物差しで、次の4つの群に分かれました。
| 群 | 攻撃性・敏感さ | 活発さ | 含まれた品種 |
|---|---|---|---|
| 1 | とても低い | 低い | メインクーン、ラグドール、スコティッシュフォールド |
| 2 | 中くらい | とても低い | ヒマラヤン、ペルシャ |
| 3 | 低い | 高い | アメリカンショートヘア、日本猫 |
| 4 | 高い | 低い | アビシニアン、ロシアンブルー、ソマリ、シャム、チンチラ |
- おとなしい(動きが少ない)と、優しい(攻撃的でない)は一致しません。群2のペルシャは動きがとても少ないのに、攻撃性は中くらいでした。
- アメリカンショートヘアは、攻撃性は低いのに活発さは高い群です。「優しいけれど元気」という猫もいます。
注意点もあります。これは獣医師の印象のアンケートで、調べられた品種は限られています。ブリティッシュ、ノルウェージャン、サイベリアン、ラガマフィン、ミヌエットは入っていません。性別では、オスのほうが新しいもの好きで興奮しやすく、メスのほうが神経質という傾向が出ましたが、傾向であって、メスを選べば必ず穏やかになるという意味ではありません。
おとなしい猫の種類はどれ?フィンランド5,726頭の調査

ブリティッシュ、ノルウェージャン、ラグドール、ペルシャとエキゾチック、バーマンが、攻撃的・外向的・怖がりのどれもいちばん低いかたまりに入りました。
飼い主さんへのアンケートで、5,726頭、19の品種と品種群を、10の行動で比べた調査です(2019年)。10の行動には、活発さ、人に近づく度合い、見知らぬ人や家族への攻撃性、見知らぬ人や新しい物への怖がりなどが入っています。品種は4つのかたまりに分かれ、文章で名前が挙がった3つは次のとおりでした。
| かたまり | 特徴 | 含まれた品種(当社の取扱を太字) |
|---|---|---|
| 穏やかな群 | 攻撃的、外向的、怖がりのどれも最も低い | ブリティッシュ、ノルウェージャン、ラグドール、ペルシャとエキゾチック、バーマン |
| 怖がりが強い群 | 最も怖がりで外向的 | ベンガル、ロシアンブルー |
| 攻撃性が高い群 | 最も攻撃的 | トルコのバン猫、アンゴラ |
ここで見落としたくないのは、ブリティッシュの結果です。見知らぬ人への攻撃性はいちばん低い側(ペルシャと並ぶ)でしたが、人に自分から近づく行動は、全品種でいちばん少ない側でした。「優しい」は、べたべたと甘えることとは別です。ブリティッシュは「かまわれなくても平気で、でもかみつきにくい」タイプと読めて、静かにそばにいてほしい人に合います。
ロシアンブルーは静かな猫として「おとなしい猫」に入れられがちですが、この2つの調査では穏やかな群に入りませんでした(日本では攻撃性・敏感さが高い群、フィンランドでは怖がりが強い群)。静かであることと、物おじしないことは別だと分かります。ただし、これは調査に答えた猫の平均で、ロシアンブルーの全部がそうだという意味ではありません。
当社の取扱品種で見る「おとなしさ」早見表

フィンランドの調査で穏やかな群に入った当社の取扱品種は、ラグドール、ブリティッシュ、ノルウェージャン、エキゾチックショートヘアです。次の表は、2つの調査で確かめられた範囲だけでまとめました。
| 品種 | 2つの調査で見えたこと | 向いている人 |
|---|---|---|
| ラグドール | 日本の調査で攻撃性・敏感さがとても低い群。フィンランドでも穏やかな群 | かみつきの心配を減らしたい家庭 |
| ブリティッシュショートヘア | 穏やかな群。見知らぬ人への攻撃性は最も低い側だが、人に近づく行動は少なめ | 静かに距離をとって暮らしたい人 |
| ノルウェージャンフォレストキャット | 穏やかな群 | 長毛の手入れができ、落ち着いた猫がいい人 |
| エキゾチックショートヘア | フィンランドでペルシャと同じ群として穏やかな群。日本の調査のペルシャは動きがとても少ない群 | 短毛で、静かな猫と過ごしたい人 |
| アメリカンショートヘア | 日本の調査で攻撃性は低いが、活発さは高い群 | 優しくて、遊んでくれる猫がいい人 |
| サイベリアン | フィンランドでは穏やかな群として名前が挙がらなかった | 遊びも好きな猫がいい人 |
品種より1匹ずつの差が大きい|見分けのコツと限界

同じ品種の中にも、遺伝で決まる性格の差が大きくあります。フィンランドの調査は、ラグドール、メインクーン、トルコのバン猫の3品種で、行動の個体差のうち遺伝で説明できる割合を0.4〜0.53(中くらいの値)と見積もりました。見知らぬ人への攻撃性の値は、ラグドールで0.53です。
これは「性格の半分前後が遺伝で決まる」という意味ではありません。調べた3品種の中での値です。それでも「同じ品種のなかに、かみつきやすい家系とそうでない家系がある」ことは読み取れます。品種の傾向は、あくまで目安です。
性別、毛の長さ、大きさはどこまで当てになるか
「メスのほうがおとなしい」「長毛のほうが穏やか」「大きい猫ほどゆったり」とよく言われます。性別は日本の調査で傾向が出ましたが、先ほどのとおり個々の猫には当てはまりません。毛の長さと大きさは、ここで使った2つの調査では確かめられていないので、決め手にしないでください。迷ったときの目安にとどめ、猫そのものを見て選ぶほうが確実です。
子猫は誰でも元気です
子猫は、どの品種でも体力があり、よく走り、よく遊びます。元気すぎて「おとなしい品種なのに、おとなしくない」と不安になる飼い主さんもいますが、子猫の元気さだけで大人の性格は決められません。成猫になって落ち着く子もいるので、品種選びは「大人になったときの傾向」で見るほうが外れません。
見学で子猫を確かめる3つの方法

おとなしい猫を選ぶには、見学で子猫の反応を3つ見てください。これは見学に行かれる飼い主さんが、ご自身で確かめられる方法です。
- 近づいたときの反応:ゆっくり手を出して、逃げるか、においをかぐか、噛もうとするかを見ます。怖がって固まる子と、興味を持って近づく子では、その後の暮らしが違います。
- 抱いたときの反応:抱き上げたとき、暴れ続けるか、しばらくして力が抜けるか。ブリーダーに抱き方を教えてもらいながら試してください。
- 音がしたときの反応:手を軽く叩く、ドアが開くなどの音で、固まるか、振り向くだけか、すぐ戻るかを見ます。
さらに、きょうだいを比べると違いが見えます。同じ親から生まれても、前に出てくる子と、様子を見る子がいます。くわしくは子猫の選び方の記事にまとめました。
当社では、子猫は生まれたときから毎日のお世話で人と触れ合っています。親猫の性格は記録していませんが、分かる範囲でお伝えします。見学は事前予約制で、オンライン見学もできます。遠くて行けない方は、まずオンラインで子猫の動きを見て、気になる子から相談してください。
よくある質問
おとなしい猫の種類で、いちばん穏やかな品種はどれですか?
ラグドールがもっとも安定しています。日本の調査では攻撃性・敏感さがとても低い群、フィンランドの調査でも穏やかな群に入りました。ただし1匹ずつ違うので、見学で子猫を確かめてください。
ブリティッシュショートヘアは、おとなしいのになつかないのですか?
見知らぬ人への攻撃性は低い側ですが、自分から人に近づく行動は少ない側でした。なつかないのではなく、べたべたしない距離感の猫です。抱っこより、そばにいるのが好きな人に合います。
優しい猫は、メスのほうが多いですか?
オスのほうが新しいもの好きで興奮しやすく、メスのほうが神経質という傾向はありますが、メスなら必ず穏やかとは言えません。性別で選ぶより、子猫の反応を見るほうが当たります。
子ども、高齢の方がいる家庭では、どの猫を選べばよいですか?
かみつきにくさを重視するなら、ラグドールとブリティッシュが候補になります。アメリカンショートヘアは優しいけれど元気なので、遊び相手を求める家庭に向きます。どの品種でも、お子さんには猫の触り方を伝えてください。
上品な猫はどの種類ですか?
「上品な猫」は、おとなしく落ち着いた猫という意味で検索されることが多い言葉です。その意味なら、ラグドール、ブリティッシュ、ノルウェージャン、エキゾチックが当てはまります。見た目の美しさで探すなら、毛・目・体の線で比べた世界一美しい猫の記事の「上品な猫」の節も合わせてご覧ください。
まとめ|品種で絞って、見学で決める
おとなしい猫の種類を探すなら、まず「かみつきにくい」「くっつきたがる」「ものおじしない」のどれがほしいかを決めます。そのうえで、品種の傾向で2〜3種類に絞り、見学で子猫の反応を確かめるのが、いちばん外れにくい方法です。
当社の品種の子猫は子猫一覧で見られます。見学は事前予約制で、オンライン見学もできます。お迎えまでの流れはお迎えの流れをご覧ください。
出典
- Takeuchi Y, Mori Y(2009)「Behavioral profiles of feline breeds in Japan」Journal of Veterinary Medical Science 71(8):1053-7 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19721357/
- Salonen M ほか(2019)「Breed differences of heritable behaviour traits in cats」Scientific Reports 9:7949 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31138836/ (全文 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6538663/ )
- 当社の見学アンケート(お客様アンケート、猫を探していた43人)
※ 記事内の画像はイメージです。実際にお迎えいただける子猫の写真は子猫一覧でご覧いただけます。








