FLOWENS CAT
猫種紹介2026-08-13 | 更新 2026-09-26

セルカークレックスの性格・値段・病気を解説【2026】

セルカークレックスは巻き毛が魅力の希少な猫種で、生後8〜10か月で毛質が完成します。かかりやすいとされる腎臓病・心臓病は品種固有でなく交配相手由来という事実は、国内サイトでほぼ語られていません。Flowens Catブリーダーが公式資料をもとに正直に解説します。

セルカークレックスの性格・値段・病気を解説【2026】

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目次ひらく(全14章)
  1. 01はじめに——Flowens Cat がセルカークレックスを取り扱わない理由から
  2. 02セルカークレックスとは——保護施設生まれの「巻き毛の奇跡」
  3. 03セルカークレックスの性格・特徴——「羊の皮をかぶった猫」は本当か
  4. 04巻き毛の科学——遺伝子変異と「生後8〜10か月」のコートサイクル
  5. 05かかりやすい病気は「品種固有」ではない——腎臓病・心臓病とアウトクロスの因果関係
  6. 06血統登録団体でルールが違う——2025年のCFA規定変更とTICAの現状
  7. 07寿命はなぜサイトごとに数字が違うのか
  8. 08値段相場と日本での希少性——なぜあまり見かけないのか
  9. 09低アレルゲンという噂は本当か——猫アレルギーの原因物質の真実
  10. 10なぜ Flowens Cat はセルカークレックスを取り扱わないのか
  11. 11セルカークレックスの代わりに検討したい5品種
  12. 12よくある質問
  13. 13まとめ——セルカークレックスの魅力とリスクを正直に
  14. 14参考文献・出典

セルカークレックスは、ふわふわの巻き毛と穏やかな気質を持つ希少な猫種です。ただしかかりやすい病気については「品種固有のリスク」ではなく「交配に使われてきた品種由来のリスク」という視点が抜け落ちて語られがちです。Flowens Cat は取り扱い外のブリーダーとして、公式資料をもとに正直にお伝えします。

はじめに——Flowens Cat がセルカークレックスを取り扱わない理由から

Flowens Cat はセルカークレックスを取り扱っていません。理由は、スコティッシュフォールドのように「特定の遺伝子変異が痛みを伴う」という単純な話ではありません。セルカークレックスの繁殖管理には、希少性に加えて、交配に使われてきた品種由来の遺伝的な複雑さと血液型管理という、専門性の高い課題が絡んでいます。

だからこそ、この記事はほかのサイトとは少し違う内容になります。「巻き毛がかわいい・穏やかで飼いやすい」だけでなく、なぜかかりやすい病気の説明のされ方が不十分なのかを、血統登録団体(猫の血統を公式に管理・認定する国際組織)の一次資料に基づいて解説します。

この記事で解説すること:

  1. セルカークレックスの発見の物語と基本プロフィール
  2. 性格・体格の特徴
  3. 巻き毛の科学的な仕組みと「コートサイクル」の正確な時期
  4. かかりやすい病気が「品種固有」ではなく「交配相手由来」である理由
  5. 血統登録団体ごとに異なる交配ルールと2025年の変更点
  6. 寿命の数字がサイトによって違う理由
  7. 日本国内での希少性データと、同じ魅力を持つ5つの代替品種


セルカークレックスとは——保護施設生まれの「巻き毛の奇跡」

保護施設から始まったセルカークレックスの巻き毛の子猫を思わせるイメージ

セルカークレックスは1987年、アメリカ・モンタナ州の保護施設で生まれた1匹の雌猫を起点に生まれた品種です。

始祖猫の名前は「Miss DePesto(ミス・デペスト)」。モンタナ州シェリダンにあった保護施設「For Pet's Sake」で生まれ、一度は里親に引き取られたものの、「よく鳴く・要求が多い」という理由で施設に戻された過去を持ちます。その後、ペルシャのブリーダーだったJeri Newman(ジェリ・ニューマン)氏が引き取り、当時人気だったテレビドラマ『こちらブルームーン探偵社』の登場人物にちなんで名付けました。

品種名の「セルカーク」は、ニューマン氏の継父の姓に由来し、近隣にあるセルカーク山脈・セルカーク川にもちなんでいます。この巻き毛の子猫は当初、ペルシャなどとの交配実験に使われ、1992年にTICA(The International Cat Association)、1998年にCFA(The Cat Fanciers' Association)で公認品種となりました。

「1987年にモンタナ州で発見された」という一文だけで説明が終わっているサイトが多いのですが、この保護施設からの経緯こそが、後述する「なぜアウトクロス(血統の近い別品種を交配に使うこと)が必要だったのか」を理解する出発点になります。


セルカークレックスの性格・特徴——「羊の皮をかぶった猫」は本当か

巻き毛の質感がよく分かる、座った状態のセルカークレックスの上半身

セルカークレックスは穏やかで忍耐強く、子どもや他のペットとも比較的うまくやれる性格だとされています。

海外では「羊の皮をかぶった猫」と呼ばれることがあります。これはブリティッシュショートヘアに似たがっしりとした体格に、羊毛のようなカールした被毛をまとっていることに由来する表現です。体格の目安はオスで5〜6.5kg、メスで3〜4.5kg程度とされ、毛色のバリエーションも豊富です。

日常のお手入れは、短毛タイプで週2〜3回、長毛タイプで毎日のブラッシングが目安です。ただし巻き毛は力任せにとかすと毛質を痛めるため、指を通すようにやさしくほぐす方法が推奨されます。

このあたりの基本情報はどのサイトにも書かれているので、詳細は割愛します。本記事の主眼は、次章以降でお伝えする「あまり語られていない事実」にあります。


巻き毛の科学——遺伝子変異と「生後8〜10か月」のコートサイクル

セルカークレックスの巻き毛に寄った様子。毛のうねりとひげの縮れが見える

セルカークレックスの巻き毛は、KRT71という遺伝子のスプライス変異(遺伝子の設計図が読み取られる過程で一部が変化すること)によって生まれる、常染色体不完全優性の形質です。

2013年に発表されたGandolfi Bらの研究(*Scientific Reports*誌)で、この変異箇所が「c.445-1G>C」という具体的な位置にあることが特定されています(Gandolfi B et al., 2013)。「優性遺伝の突然変異」という説明にとどまるサイトがほとんどですが、遺伝子名と変異箇所まで踏み込んで書いている国内記事は、Flowens Cat が調べた範囲では見当たりませんでした。

もう一つ、意外と知られていないのが「コートサイクル」です。セルカークレックスの子猫は生まれつきカールした毛(特にヒゲが顕著)を持っていますが、成長する過程でカールの質が一時的に失われ、ストレートに近い状態になることがあります。GCCF(Governing Council of the Cat Fancy、英国の血統登録団体)のブリーディングポリシー文書には、この毛質が生後8〜10か月で成猫の毛質として戻ってくると明記されています(GCCF, "Selkirk Rex Cat Breeding Policy")。

国内サイトの多くは「子猫は巻き毛で、時々ストレートに変わることがある」という曖昧な書き方にとどまり、この8〜10か月という具体的な時期の出典を示していません。「うちの子、巻き毛が取れてきた気がする」と不安になる飼い主が多い時期だからこそ、正確な目安を知っておく価値があります。


かかりやすい病気は「品種固有」ではない——腎臓病・心臓病とアウトクロスの因果関係

獣医師の手が親猫に遺伝子検査キットを使う様子。腎臓病・心臓病の遺伝子検査を表すイメージ

セルカークレックス自体が多発性嚢胞腎(PKD)や肥大型心筋症(HCM)になりやすい品種というわけではありません。リスクの正体は、交配に使われてきた品種——ブリティッシュショートヘアとペルシャ——から受け継がれた遺伝子にあります。

これが、国内の競合サイトがほぼ例外なく見落としている最大のポイントです。多くのサイトは「セルカークレックスはPKD・HCMになりやすい」と、あたかも品種固有のリスクであるかのように疾患名を列挙しています。しかし一次資料であるGCCFのブリーディングポリシー文書は、次のように明確に区別しています。

  • PKDについて: セルカークレックス自体はPKDの遺伝的リスクが特に高い品種ではない。ただし、アウトクロス相手であるブリティッシュショートヘアとペルシャにPKDの原因遺伝子が存在するため、これらの品種からの遺伝子流入を防ぐ目的で、繁殖猫にPKD陰性証明を求めている(GCCF, "Selkirk Rex Cat Breeding Policy")。
  • HCMについて: セルカークレックス自体に特に多い病気ではない。ただしアウトクロス相手(BSH・ペルシャ)に見られる病気であるため、年1回の心臓検査が推奨されている(同資料)。

アウトクロス相手のリスクを数字で見る

2023年に発表されたShitamori Fらの大規模疫学研究(*Journal of Feline Medicine and Surgery*)によると、PKD1遺伝子の変異頻度は次の通りです(Shitamori F et al., 2023)。

品種PKD1変異頻度
ペルシャ(世界)約40〜50%
ペルシャ(日本)約46%
ブリティッシュショートヘア(2019年時点)約0.99%(その後さらに低下傾向)
ペルシャの変異頻度がいかに高いか、そしてブリティッシュショートヘアは同じアウトクロス相手でも大幅にリスクが低いことがわかります。セルカークレックスを検討する際、「どちらの系統から交配されてきた個体か」によって遺伝的リスクの重みが変わってくるということです。

HCMについては、猫全体での一般的な有病率が参考になります。780頭の見た目健康な猫を対象にしたPayneらの研究(通称CatScan研究)では、猫全体でのHCM有病率は14.7%と報告されています(Payne JR et al.)。これは特定の品種の数値ではなく、猫全般の背景データとして押さえておくとよい基準値です。

見落とされがちな血液型不適合(新生子溶血)のリスク

もう一つ、国内サイトにほぼ登場しない技術的な視点があります。GCCFの資料には品種別の血液型頻度表が掲載されており、セルカークレックスのアウトクロス相手であるブリティッシュショートヘアとペルシャは、いずれも「タイプB(B型)の頻度が高い(25%超)」品種に分類されています(GCCF, "Selkirk Rex Cat Breeding Policy")。

猫の血液型はA型・B型・AB型に分かれ、異なる血液型同士を交配させると、生まれた子猫が母猫の初乳を飲んだ際に赤血球が破壊される「新生子溶血」を起こすリスクが高まります。GCCFはこのリスクを踏まえ、繁殖前の血液型検査を推奨事項として明記しています。「巻き毛の遺伝」だけでなく「血液型の組み合わせ」まで管理が必要になる——これがセルカークレックスの繁殖を専門的に難しくしている理由の一つです。

Flowens Cat が実施している遺伝子検査との接点

Flowens Cat では、取り扱う9品種すべての親猫に対して、PKD・HCM(2種)・PK欠損症の遺伝子検査を実施しています。この検査プロトコルは、まさに今回のセルカークレックスの事例が示す論点——「交配相手から持ち込まれるリスクをどう管理するか」——と直結する実務です。

ブリーダーとして日々親猫の検査結果と向き合っていると、「品種名だけでリスクを判断してはいけない」という感覚が身につきます。疾患名を並べるだけの説明ではなく、「なぜそのリスクがあるのか」まで遡って考える視点を持つことが、猫を迎える判断材料として本当に必要な情報だと感じます。


血統登録団体でルールが違う——2025年のCFA規定変更とTICAの現状

血統登録団体の書類とセルカークレックスをイメージした構図。団体ごとに異なる交配規定を表す

セルカークレックスのアウトクロス(別品種との交配)を認めるかどうかは、血統登録団体によって異なり、2025年に大きな変更がありました。

団体現在のルール
CFA(The Cat Fanciers' Association)2025年1月1日以降に生まれる子猫は、セルカークレックス同士の交配のみ登録可能。これまで認めていたペルシャ・ブリティッシュショートヘア・エキゾチックとのアウトクロスを終了(CFA品種ページ)
TICA(The International Cat Association)現在もブリティッシュショートヘア・ブリティッシュロングヘア・アメリカンショートヘア・ペルシャ・ヒマラヤン・エキゾチックとのアウトクロスを許容(TICA品種ページ)
GCCF(英国)コーニッシュレックス・デボンレックス・ラパーマとの交配を「望ましくない」と明記。これらとの産子はセルカークレックスとして登録不可(GCCF, "Selkirk Rex Cat Breeding Policy")
CFAが純血同士の交配に限定する方向へ舵を切った一方、TICAは現在も複数品種とのアウトクロスを許容しています。この団体間の違いと、2025年の規定変更に言及している国内サイトは、Flowens Cat が確認した範囲ではありませんでした。「アウトクロスは今も一般的」という前提のまま古い情報を掲載し続けているサイトも複数見つかっています。

セルカークレックスとラパーマの違い——見た目より繁殖上の事実

同じ巻き毛の猫種として、ラパーマとの違いを比較する記事は国内にも一定数あります。ただしその多くは毛質や体格といった見た目の比較にとどまっています。

繁殖の実務としてより重要なのは、GCCFが両品種を意図的に分離管理しているという事実です。コーニッシュレックス・デボンレックス・ラパーマとの交配で生まれた子猫は、セルカークレックスとして登録できません。つまり「似た者同士だから交配してもいい」のではなく、「別の遺伝子変異による巻き毛なので、混ぜてはいけない」というのが公式な立場です。ラパーマの巻き毛はKRT71変異とは別の遺伝的背景を持つとされており、見た目が似ていても遺伝的には別系統の品種として扱われています。


寿命はなぜサイトごとに数字が違うのか

国内サイトの多くは「13〜15年」という寿命を挙げますが、出典を確認すると数字にはばらつきがあります。

  • GCCF: ブリティッシュショートヘアに準じ、平均14〜18年(GCCF, "Selkirk Rex Cat Breeding Policy")
  • TICA: 10〜15年以上(TICA品種ページ)

出典を示さずに「13〜15年」と断定している競合記事が目立ちますが、実際には資料によって幅があります。個体の健康状態・遺伝的背景によって差が出ることを踏まえ、「この幅の中に収まることが多い」という理解にとどめるのが誠実な扱い方だと考えます。

なお、国内のペット保険会社が公開している契約データとして、2017年度に約187件のセルカークレックスの契約実績があるという数字を紹介しているサイトもあります。ただしこれは9年前のデータであり、現在の実態を反映しているとは限りません。参考情報として見る際は、この点に留意してください。


値段相場と日本での希少性——なぜあまり見かけないのか

セルカークレックスは日本国内での流通量が非常に少ない品種です。

ブリーダー直販マーケットプレイス「みんなの子猫ブリーダー」の掲載件数を見ると、2026年8月時点でセルカークレックスはブリーダー34件・子猫掲載27頭にとどまっています。同時期の主要品種と比較すると、その少なさがよくわかります(みんなの子猫ブリーダー掲載データ)。

品種掲載頭数(目安)
セルカークレックス27頭
マンチカン615頭
スコティッシュフォールド634頭
ミヌエット628頭
「珍しい猫種」という定性的な表現は他サイトにもありますが、具体的な比較数値を示しているサイトはほとんど見当たりません。

正直にお伝えすると、Flowens Cat はセルカークレックスを取り扱っていないため、現在の正確な価格相場データは把握していません。ただし、この流通量の少なさから考えると、供給が限られる分、価格は変動しやすく相場が安定しにくい傾向にあると推測されます。「なぜ日本であまり見かけないのか」という疑問への一つの答えとして、この希少性データを知っておくとよいでしょう。


低アレルゲンという噂は本当か——猫アレルギーの原因物質の真実

巻き毛だから低アレルゲン、という説明は正確ではありません。

一部のサイトでは「唾液が毛につきにくく低アレルゲンの可能性がある」と紹介される一方、別のサイトでは「抜け毛は少なくないためアレルギー体質には不向き」と、矛盾した情報が併存しています。

猫アレルギーの主な原因物質はFel d1というタンパク質で、これは猫の唾液・皮脂腺から分泌されるものであり、毛質や毛の長さに関わらずどの猫種でも分泌されます。つまり「巻き毛だから」「毛が抜けにくいから」といった理由で分泌量が減るわけではありません。「完全に低アレルゲンな猫種」は現時点で存在しないというのが実態に近い理解です。アレルギー体質の方が猫を迎える場合は、品種選びよりも、事前に実際に触れ合って反応を確認することが重要です。


なぜ Flowens Cat はセルカークレックスを取り扱わないのか

「危険な品種だから」ではなく、「希少性と、アウトクロス由来の遺伝的複雑さ・血液型管理の専門性が、当キャッテリーの繁殖体制の外にあるから」というのが正直な理由です。

Flowens Cat は関東・中部を中心に複数拠点で、9品種の猫を扱っています。ここまで見てきた通り、セルカークレックスの繁殖管理には、交配相手品種のPKD・HCM遺伝子検査、血液型の組み合わせ管理、団体ごとに異なる登録ルールへの対応など、専門性の高い知識と体制が求められます。これは決して「危険」という意味ではなく、「継続的な繁殖管理の難易度が高い希少品種」という位置づけが実態に近いと考えています。

興味深いことに、Flowens Cat が実際に取り扱っているブリティッシュショートヘア・アメリカンショートヘア・エキゾチックショートヘアは、いずれもセルカークレックスの公式アウトクロス品種そのものです(TICA品種ページ)。血統的にはすでに深いつながりがある品種たちなのです。

当キャッテリーには「セルカークレックスを探しているが、どこにいますか?」というお問い合わせをいただくことがあります。「巻き毛でなければダメ」というご要望であればお応えできないことを正直にお伝えしたうえで、体格・性格・遺伝的リスク管理のどの魅力に惹かれているかを伺い、次章でご紹介する5品種の中からご提案しています。


セルカークレックスの代わりに検討したい5品種

ブリティッシュショートヘア・アメリカンショートヘア・エキゾチックショートヘアなど代替となる品種たち

セルカークレックスに惹かれる「どの魅力」かによって、最適な代替品種は異なります。

がっしりとした体格・丸みのある顔立ちが好きな方 → ブリティッシュショートヘア

セルカークレックスの公式アウトクロス品種そのもので、体格の近さは偶然ではありません。落ち着いた性格で、独立心がありながらも穏やかな存在感が魅力です。骨格上の遺伝的懸念が品種固有として指摘されておらず、長く一緒に過ごせます。

Type B頻度が比較的低く、リスク管理がしやすい系統が気になる方 → アメリカンショートヘア

TICA公式のアウトクロス品種の一つです。活発で人懐っこく、遊び好きな性格で知られます。がっしりとした体格と丈夫さも魅力の一つです。

フラットな顔立ち・穏やかさが好きな方 → エキゾチックショートヘア

ペルシャを短毛化した品種で、丸くフラットな顔立ちはセルカークレックスの丸みのある印象と近いものがあります。ただしエキゾチックショートヘア自体もペルシャ由来のPKDリスクと無縁ではないため、Flowens Cat では親猫の遺伝子検査を徹底しています。

「ぐったり甘えてくる」感じが好きな方 → ラガマフィン

抱き上げられると体をゆだねてくる「抱っこ好き」の筆頭格です。セルカークレックスの「穏やかで忍耐強い」性格に惹かれていた方にフィットします。

落ち着きのある甘えん坊が好きな方 → ラグドール

「ぬいぐるみ」という名前の通り、抱き上げるとぐったりと体を預けてくる品種です。セルカークレックスの穏やかな気質と重なる部分が多くあります。

なお、アウトクロス相手であるペルシャについてはペルシャの性格の記事でも詳しく解説しています。あわせてご参考ください。


よくある質問

Q. セルカークレックスの性格の特徴を教えてください

穏やかで忍耐強く、子どもや他のペットとも比較的うまくやれる性格だとされています。「羊の皮をかぶった猫」と呼ばれることもあり、ブリティッシュショートヘアに似たがっしりとした体格に、羊毛のような巻き毛をまとっています。

Q. セルカークレックスの巻き毛はいつ完成しますか?

子猫は生まれつきカールした毛(特にヒゲ)を持っていますが、成長の過程で一時的にカールの質が失われることがあります。GCCFの公式資料によると、生後8〜10か月で成猫の毛質として戻ってくるとされています。この時期に「巻き毛が取れてきた」と心配になる飼い主が多いようですが、多くの場合は正常な発達過程です。

Q. セルカークレックスは腎臓病・心臓病になりやすい品種ですか?

品種固有のリスクが特に高いわけではありません。リスクの正体は、アウトクロス相手であるブリティッシュショートヘアとペルシャから受け継がれる遺伝子です。特にペルシャのPKD1変異頻度は日本で約46%と高く、この遺伝子流入を防ぐ目的でPKD陰性証明が繁殖条件になっています。品種名だけでリスクを判断せず、交配された系統まで踏み込んで考える視点が大切です。

Q. セルカークレックスとラパーマの違いは何ですか?

見た目は似ていますが、遺伝的には別系統の巻き毛です。GCCFはコーニッシュレックス・デボンレックス・ラパーマとの交配を「望ましくない」と明記しており、これらとの産子はセルカークレックスとして登録できません。似ているようで、繁殖上は意図的に分離管理されている品種同士です。

Q. Flowens Cat でセルカークレックスに近い品種を探すには?

Flowens Cat ではセルカークレックスを取り扱っていませんが、公式アウトクロス品種であるブリティッシュショートヘア・アメリカンショートヘア・エキゾチックショートヘアをはじめ、健康面を重視した9品種を取り扱っています。セルカークレックスのどんな魅力に惹かれているかをお聞かせいただければ、ライフスタイルに合う品種をご提案します。お迎えの流れやよくある質問もあわせてご覧ください。


まとめ——セルカークレックスの魅力とリスクを正直に

セルカークレックスは、保護施設生まれの1匹の猫を起点に生まれた、羊毛のような巻き毛が魅力の希少な猫種です。穏やかで忍耐強い性格と、生後8〜10か月で完成する巻き毛の変化は、この品種ならではの個性です。

一方で、かかりやすい病気とされる腎臓病・心臓病は、品種固有のリスクではなく、交配に使われてきたブリティッシュショートヘア・ペルシャ由来のリスクであるという因果関係は、意外と知られていません。血液型不適合のリスク管理、団体ごとに異なる交配ルール、2025年のCFA規定変更など、迎える・繁殖するうえで知っておくべき専門的な事情が数多くあります。

Flowens Cat はこうした繁殖管理の専門性と日本国内での流通量の少なさを踏まえ、セルカークレックスの取り扱いを見送っています。代わりに、公式アウトクロス品種であるブリティッシュショートヘア・アメリカンショートヘア・エキゾチックショートヘアをはじめ、同じ魅力を持つ品種をご提案しています。見た目の可愛さと同じくらい「どんな遺伝的背景を持つ品種か」を知ったうえで判断していただければ幸いです。代替品種の詳細は品種一覧からご覧いただけます。


参考文献・出典

  1. Gandolfi B, Alhaddad H, Joslin SEK, Khan R, Filler S, Brem G, Lyons LA (2013) "A splice variant in KRT71 is associated with curly coat phenotype of Selkirk Rex cats" *Scientific Reports* 3, Article 2000. DOI: 10.1038/srep02000 — https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23770706/
  2. GCCF(Governing Council of the Cat Fancy)"Selkirk Rex Cat Breeding Policy: Guidelines for Healthy & Responsible Breeding" — https://www.gccfcats.org/wp-content/uploads/2021/10/SelkirkRexBP.pdf
  3. Shitamori F et al. (2023) "Large-scale epidemiological study on feline autosomal dominant polycystic kidney disease and identification of novel PKD1 gene variants" *Journal of Feline Medicine and Surgery* — https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/1098612X231185393
  4. TICA(The International Cat Association)"Selkirk Rex" 品種ページ — https://tica.org/breed/selkirk-rex/
  5. CFA(The Cat Fanciers' Association)"Selkirk Rex" 品種ページ — https://cfa.org/breed/selkirk-rex/
  6. Payne JR et al. "Cardiomyopathy prevalence in 780 apparently healthy cats in rehoming centres (the CatScan study)" — https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26776583/
  7. みんなの子猫ブリーダー(マーケットプレイス実データ)セルカークレックス品種別掲載一覧 — https://www.koneko-breeder.com/breederList_catKind_selkirk-rex_1.html

※ 記事内の画像はイメージです。実際にお迎えいただける子猫の写真は子猫一覧でご覧いただけます。

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