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- 01サバトラの性格まとめ——クールに見えて情に厚い「隠れ甘えん坊」タイプ【早見表】
- 02サバトラとは?——キジトラとの違いは「シルバー遺伝子」の有無【比較表】
- 03【誤情報を検証】「サバトラはメスが75〜80%」は本当か
- 04サバトラ猫は本当に「珍しい」のか——2段階の遺伝条件で考える
- 05サバトラの性格は本当にクール?1,274頭の調査でグレータビーを検証
- 06サバトラ白(サバ白)とは?——白が加わった柄は別の記事で
- 07サバトラとアメリカンショートヘア(シルバータビー)は何が違う?
- 08サバトラの子猫を迎えたい方へ——ブリーダーとして正直にお伝えしたいこと
- 09よくある質問
- 10まとめ——サバトラは「珍しさ」も「性格」も遺伝子で説明できる柄
- 11出典
サバトラの性格まとめ:見た目はクールでも中身は情に厚いタイプが多い柄猫です。「メスが75〜80%を占め、オスは珍しい」という説がSNSや一部サイトで広まっていますが、シルバー遺伝子は常染色体(D2番染色体)にありX染色体連鎖ではないため、遺伝学的には誤りです。マッカレル模様の出やすさとシルバー化の条件が重なる「2段階の希少性」を持つ柄で、キジトラとは決定する遺伝子の組み合わせが異なります。サバトラ猫について調べていると、「メスが8割」「珍しい猫」「キジトラとどう違うの?」という言葉によく出会います。実際に「サバトラ キジトラ 違い」というキーワードは月間1,300件検索されており、色柄シリーズの中でも最も関心の高いテーマです。
Flowens Catは関東・中部の拠点で子猫を育てているブリーダーです。サバトラと同じ「シルバータビー」の柄を持つアメリカンショートヘアも扱っています。この記事では、ネット上でよく見かける話を遺伝学の一次情報で検証しながら、キジトラとの違い、「珍しい」とされる本当の理由、サバトラ白の特徴、そしてアメリカンショートヘアとの違いまで、ブリーダーの視点で整理しました。
サバトラの性格まとめ——クールに見えて情に厚い「隠れ甘えん坊」タイプ【早見表】

サバトラの性格を一言で表すなら、「見た目はクール、中身は甘えん坊」。銀色の被毛と黒い縞模様が醸し出す凛とした佇まいから「気難しそう」と思われがちですが、実際に向き合ってみると人懐っこい個体が多い柄です。
サバトラは柄の名前で、性格は毛色では決まりません。初対面では様子を見る子もいれば、すぐに近寄ってくる子もいて、慣れるまでの時間も個体差や社会化の質によって変わります。次の章から、なぜこのような性格になりやすいのか、そして「珍しい」「メスが多い」といった噂の真偽を、遺伝学の一次情報を交えて具体的に見ていきます。
サバトラとは?——キジトラとの違いは「シルバー遺伝子」の有無【比較表】

サバトラとキジトラの違いを一言でいえば、地色がシルバーかブラウンか、その一点に尽きます。
サバトラは、地色が銀白色〜シルバーグレーで、そこに黒い「マッカレルタビー」(魚の骨のような縦縞)が入る柄です。名前は魚の鯖(サバ)の背の色合いに似ていることに由来すると言われています。一方キジトラは、地色が茶色〜ブラウンで同じマッカレル模様が入る柄です。
両者は同じ「マッカレルタビー」という模様のパターンを持ちながら、地色を決める遺伝子の有無で分かれます。
サバトラ・キジトラ比較表
| 項目 | サバトラ | キジトラ |
|---|---|---|
| 地色 | シルバー・グレー系 | ブラウン・茶系 |
| 縞の色 | 黒のマッカレル(縦縞) | 黒のマッカレル(縦縞) |
| 決定する遺伝子 | タビー遺伝子+シルバー(インヒビター)遺伝子 | タビー遺伝子のみ |
| シルバー遺伝子の所在 | D2番染色体(常染色体) | ― |
| 名前の由来 | 魚の鯖の背の色合いから(諸説あり) | 鳥のキジ(雉)の羽色に似ることから |
| 野良猫での見かけやすさ | キジトラより少ない | 非常に多い |
| アメショでの柄の呼び名 | シルバータビー | ブラウンタビー |
「サバトラ キジトラ 違い」は月間1,300件検索されている、色柄シリーズの中でも特に関心の高いテーマです。「うちの子はどっち?」と迷ったときは、まず地色を見てください。銀色っぽければサバトラ、茶色っぽければキジトラです。タビー柄全体の遺伝のしくみは猫の毛色と遺伝のしくみでも詳しく解説しています。
【誤情報を検証】「サバトラはメスが75〜80%」は本当か

サバトラについて調べると、「メスが75〜80%を占め、オスは珍しい」という説をよく見かけます。理由として「サバトラの模様を決める遺伝子はX染色体上にあるから」という説明が添えられていることが多いようです。
結論からお伝えすると、この説明は遺伝学的に誤りです。
シルバー遺伝子は常染色体(D2番染色体)にある
2009年、O'Brien博士らの研究チームが『Journal of Heredity』誌に発表した論文で、猫のシルバー(インヒビター)遺伝子座がD2番染色体の3.3Mb領域(95.87〜99.21Mb付近)にマッピングされていることを明らかにしました(Menotti-Raymond et al., 2009)。この研究では、他の哺乳類に見られるシルバー変異(PMEL/SILV遺伝子)とは異なる、猫独自の遺伝子座であることも同時にわかっています。
D2番染色体は性染色体(X・Y染色体)ではなく、常染色体です。マッカレルタビーの模様を作るタビー遺伝子も、性染色体ではなく常染色体上にあるとされています。つまり、サバトラを形づくる2つの遺伝子(タビー遺伝子・シルバー遺伝子)は、いずれも性別と結びついていません。理論上、オスとメスで生まれやすさに大きな差は生じないはずです。
「オレンジ遺伝子」の話と混同されている
では、なぜ「メスが多い」という説が広まったのでしょうか。おそらく、三毛猫・サビ猫・茶トラの性別比率の話と混同されているのだと考えられます。
三毛猫がほぼメスなのは、オレンジ色を発現させる遺伝子がX染色体の上にあるためです。メス猫はX染色体を2本(XX)持つため、1本にオレンジ、もう1本に黒系の遺伝子を持つことができ、体内でランダムに発現することで三毛模様が生まれます。オスはX染色体が1本(XY)しかないため、通常はオレンジか黒かのどちらかにしかなれません(詳しくは三毛猫の性格・茶トラの性格で解説しています)。
このオレンジ遺伝子のロジックが、シルバー遺伝子にもそのまま当てはまると誤解されてしまったのが、「サバトラはメスが多い」という噂の正体だと考えられます。シルバー遺伝子はオレンジ遺伝子とは全く別の遺伝子座にあり、X染色体には乗っていません。
サバトラの性別は、遺伝の仕組みでは偏らない
正直にお伝えすると、「サバトラのメスが75〜80%」という具体的な数字の学術的な出典は、今回の調査では確認できませんでした。遺伝学的なメカニズムから見ても、この数字を裏付ける根拠は見当たらないというのが、一次情報を確認した上での結論です。
サバトラ猫は本当に「珍しい」のか——2段階の遺伝条件で考える

サバトラが「珍しい」と感じられるのは気のせいではありません。ただし理由は、SNSでよく見る「メスが多いから」ではなく、マッカレル模様の出やすさに、シルバー化という追加条件が重なる「2段階構造」にあります。
第1段階:マッカレル模様自体は出やすい
2012年、Kaelinらのチームが『Science』誌に発表した研究で、縞の形の違い(縦縞か渦巻きか)を決める遺伝子(Taqpep遺伝子)が特定されました(Kaelin et al., 2012)。また、毛を縞にする性質(アグーチ)は顕性(優性)で、両親のどちらか一方から受け継げば縞が表に出ます。これはキジトラが野良猫に多い理由とも共通する仕組みです。
第2段階:そこにシルバー化の条件が重なる
マッカレル模様だけであれば、地色は茶色(キジトラ)としてありふれた形で発現します。そこにシルバー(インヒビター)遺伝子が重なって初めて、地色が銀色に抜けた「サバトラ」になります。
シルバー遺伝子自体は前章で説明した通り優性遺伝子ですが、この遺伝子を持つ個体自体が、ブラウン系の地色を持つ個体群と比べて少ないため、結果としてサバトラの出現頻度はキジトラより低くなると考えられます。「マッカレル模様が出やすい」×「そこにさらにシルバーの条件が必要」という2つの掛け算が、サバトラの希少感の正体です。
なお、2025年5月には九州大学の佐々木裕之特別主幹教授らの研究グループが、オレンジ(茶トラ)を発現させる遺伝子の正体を解明したと発表しています(九州大学 研究成果、2025年5月16日)。オレンジ色素とシルバー色素は全く異なる仕組みで働いていることが分かっており、「シルバーの方が弱い遺伝子だから珍しい」といった単純な優劣で説明するのは正確ではありません。あくまで「必要な遺伝条件の数」の違いとして捉えるのが実態に近いと考えています。
「サバトラは全体の◯%」という数字は、実は出典不明
ネット上では「サバトラは全体の4%」といった数字が散見されますが、正直にお伝えします。公益社団法人日本動物愛護協会(JSPCA)が公開している毛色分類のページを確認したところ、これは不妊去勢手術助成事業の申請用の分類システムであり、割合を示す統計データではありませんでした。他のペット関連の公的な統計資料でも、毛色別の個体数割合を示す一般公開データは確認できませんでした。民間の調査では、アイリスペットどっとコムの会員アンケート「猫の国勢調査2019」で、飼い猫1,702頭のうちサバトラが69頭(約4.1%)という数字があります(会員の飼い猫の集計で、日本の猫全体の割合ではありません)。調べた経緯はサバ白の猫にまとめています。
確認できた学術的な根拠は、あくまで「マッカレル模様の出やすさ」と「シルバー化という追加条件」という2段階の遺伝的しくみです。「サバトラは日本国内で◯%」という正確な数字は、現時点では確認できていないというのが誠実な回答です。
「戦後渡来」説について
「サバトラは戦後、洋猫との交配で日本に広まった」という話も複数の書籍で紹介されています。国立国会図書館のレファレンス協同データベースでは、『ねこ柄まにあ』(南幅俊輔著、2015年)や『ねこの事典』(今泉忠明監修、2017年)といった書籍がこの説の紹介元として案内されています(国立国会図書館 レファレンス協同データベース)。ただし学術論文や一次史料への直接のリンクは確認できておらず、あくまで「そう言われている」という通説レベルの情報として受け止めるのが適切だと考えています。
毛色と模様に関する研究は今も進んでいます。京都大学野生動物研究センターの村山美穂教授の研究グループも、毛色・模様と性格の関係を継続的に研究しており(researchmap)、今後さらに詳しいことが分かってくる可能性があります。
サバトラの性格は本当にクール?1,274頭の調査でグレータビーを検証
「サバトラはクールで一匹狼」というイメージを持つ方も多いのですが、大規模な調査データでは、グレーを含むタビーは、人への攻撃的な行動の報告がほかの毛色を合わせた全体より少なかったという結果です。
2016年、カリフォルニア大学デービス校のStelow EAらが飼い猫1,274頭の飼い主にアンケート調査を実施し、毛色と攻撃性の関係を統計分析しました(Journal of Applied Animal Welfare Science, 19(1), 1-15)。この研究では、黒・ブラウン・グレーのタビーをまとめた区分で、人への攻撃的な行動を報告された猫の割合が、ほかの毛色を合わせた全体より少ないという結果でした。サバトラはまさにこの「グレータビー」に直接該当する柄です。
「クールな見た目」と「攻撃性」は別物
シルバー系の被毛を持つ猫は、光の当たり方によって凛とした表情に見えることがあり、それが「クールで気難しそう」という第一印象につながりやすいようです。しかし、これは見た目の印象であって、実際の攻撃性とは別の話です。
慣れ方の個体差は、毛色より社会化の質で決まる
サバトラの性格が「警戒心が強いタイプ」と「人懐っこいタイプ」に分かれるのは、毛色そのものより、生後2〜9週の社会化期にどれだけ多様な刺激に触れたかが大きく影響します。Flowens Catでは、子猫が生まれたときから、毎日のお世話の中で子猫に触れています(お迎えのあとの慣らし方はキジトラの性格でも紹介しています)。
最初から物怖じせず近寄ってくるタイプと、少し離れた場所からじっと様子をうかがうタイプがいます。慣れるまでの「間」があっても、慣れたあとに甘えん坊になる子は少なくありません。
サバトラ白(サバ白)とは?——白が加わった柄は別の記事で
サバ白は、銀灰色の地に黒い縞があるサバトラに、白斑(はくはん)遺伝子による白が加わった柄です。 毛色名ではシルバータビー&ホワイトと呼ばれます。白の入る面積は、足先やお腹だけの子から、顔や体の大部分が白い子まで幅があります(白斑のしくみは猫の毛色と遺伝のしくみで解説しています)。白の面積と性格の関係を裏付けるデータも見当たりません。
呼び名の違い(サバ白・白サバ)、キジ白との見分け方、「日本猫の約4%」やオスの珍しさの根拠、性格の研究の範囲、白い耳や鼻先と日差しの話は、サバ白の猫の記事で、出典を開いて確かめた結果をまとめています。
サバトラとアメリカンショートヘア(シルバータビー)は何が違う?

「サバトラの子猫が欲しい」と探している方に、ブリーダーとして一番お伝えしたいのがこの章です。サバトラは柄の名前であって、品種名ではありません。
サバトラという柄は、雑種にも純血種にも現れます。血統をたどれない雑種のサバトラは、体格や性格の再現性を事前に予測することが難しく、遺伝子検査や健康診断の記録が残っていないケースがほとんどです。
一方、アメリカンショートヘアの「シルバータビー」は、体型・毛質・性格傾向が世代を超えて再現されるよう、品種団体の基準に沿って繁殖されてきました。シルバータビーはアメリカンショートヘアの代表的なカラーとして知られていますが、品種団体の標準ではほかにも多くの毛色が認められていて、その中のひとつという位置づけです。
サバトラ(柄)とアメショ シルバータビー(品種)の違い
| 項目 | サバトラ(雑種に多い柄) | アメショ シルバータビー(品種) |
|---|---|---|
| 分類 | 柄の名称(雑種にも純血種にも現れる) | 猫種+毛色の組み合わせ |
| 体型の再現性 | 血統によりさまざま | 品種標準に基づき安定 |
| 性格の再現性 | 個体差が大きい | 親猫の気質から傾向を予測しやすい |
| 遺伝子検査の有無 | 個体次第(多くは未実施) | ブリーダーが実施しているケースが多い |
| 模様のバリエーション | マッカレルが主 | クラシック・マッカレル・ティックドなど(CFA の標準) |
Flowens Catの遺伝子検査・健康診断について
Flowens Catでは、アメリカンショートヘアを含む繁殖に使う親猫に、多発性嚢胞腎(PKD)・肥大型心筋症(HCM、2種)・ピルビン酸キナーゼ欠損症の計4種類の遺伝子検査を実施しています(子猫個体の検査はしていません)。さらに、獣医師による視診・触診・聴診を経た署名入りの健康診断書もお渡ししています。
「サバトラの柄が好きだけど、健康面や性格の見通しも立てたい」という方には、シルバータビーのアメリカンショートヘアという選択肢があります。詳しい性格の傾向はアメリカンショートヘアの性格、品種としての基本情報はアメリカンショートヘアの品種ページでご確認いただけます。
サバトラの子猫を迎えたい方へ——ブリーダーとして正直にお伝えしたいこと
「サバトラ 子猫」というキーワードで検索する方も多くいらっしゃいますが、ここでも正直にお伝えしたいことがあります。サバトラは品種名ではないため、ブリーダーが「サバトラ専門」として繁殖していることは基本的にありません。
サバトラ柄の雑種の子猫を迎えたい場合は、保護猫の譲渡会や里親サイトで出会う機会を探すのが一般的な選択肢になります。生まれてくる柄や性格を事前に選ぶことは難しく、「気づいたらサバトラだった」という縁が中心になります。
一方で、「柄だけでなく、体型や性格の傾向、健康面の記録もある程度分かった上で迎えたい」という方には、シルバータビーのアメリカンショートヘアという純血種の選択肢があります。ご希望があれば、見学時に親猫の遺伝子検査結果や子猫の健康診断書をお見せできます。掲載価格には1回目のワクチン接種が含まれており(2回目接種済みの子のみ+3,000円)、60日間の生体保証も付いています。
現在ご案内できる子猫は子猫一覧でご確認いただけます。見学だけのご来場も歓迎しています。
Flowens Catの子猫一覧では、毛色で絞り込めます。サバトラと同じシルバータビーの子は「シルバー」に入ります。いまご案内できるシルバーの子猫を見る
よくある質問
Q. サバトラの性格はどんな感じですか?
見た目はクールに見えても、慣れると甘えん坊になる個体が多い柄です。大規模な調査(Stelow et al., 2016、飼い猫1,274頭対象)でも、サバトラが入る「黒・ブラウン・グレーのタビー」は、人への攻撃的な行動の報告が全体より少ない結果でした。警戒心の強さは初対面での慎重さであり、攻撃的な性格とは異なります。
Q. サバトラはメスが多いというのは本当ですか?
学術的な根拠は確認できませんでした。シルバー遺伝子は常染色体であるD2番染色体にあり、X染色体には連鎖していません(Menotti-Raymond et al., 2009)。X染色体連鎖で性別に偏りが出るのは三毛猫や茶トラのオレンジ遺伝子の話であり、この仕組みがサバトラの噂と混同されていると考えられます。
Q. サバトラとキジトラの違いは一言で言うと何ですか?
地色がシルバー・グレーならサバトラ、ブラウン・茶色ならキジトラです。どちらも同じマッカレルタビー(縦縞)模様ですが、サバトラは地色を決めるシルバー(インヒビター)遺伝子が追加で働いている点が異なります。
Q. サバトラは本当に珍しい猫ですか?
出現頻度がキジトラより低い傾向はあると考えられます。理由として考えられるのは、縞が出る条件に加えて、地色を銀色にする遺伝子(シルバー)を受け継いでいる必要があることです。ただし「全体の◯%」という正確な統計データは、公的機関の資料では確認できませんでした。
Q. サバトラ白とは何ですか?
銀灰色の地に黒い縞があるサバトラに、白斑遺伝子による白が加わった柄で、サバ白とも呼ばれます。毛色名ではシルバータビー&ホワイトです。白の入る面積は、足先だけの子から体の大部分が白い子まで幅があります。呼び名の違いやキジ白との見分け方、「珍しい」の根拠はサバ白の猫の記事で解説しています。
Q. サバトラとアメリカンショートヘアのシルバータビーは同じですか?
同じ「シルバータビー」という柄を指しますが、位置づけは異なります。サバトラは柄の名称で雑種にも現れますが、アメリカンショートヘアのシルバータビーは、体型・性格傾向まで再現性のある品種として確立されています。厳密には比較対象というより、アメショはサバトラという柄を持つ純血種のひとつという関係です。
Q. サバトラの子猫はどこで迎えられますか?
サバトラは品種名ではないため、「サバトラ専門」のブリーダーは基本的に存在しません。雑種のサバトラを迎えたい場合は保護猫の譲渡会などが主な選択肢です。体型や性格、健康面の記録も踏まえて選びたい場合は、シルバータビーのアメリカンショートヘアという純血種の選択肢もあります。子猫一覧から現在ご案内できる子猫をご確認いただけます。
まとめ——サバトラは「珍しさ」も「性格」も遺伝子で説明できる柄
サバトラの性格や希少性にまつわる話は、ネット上で断片的に語られがちですが、遺伝学の一次情報を確認すると、次のように整理できます。
- 性別比率:「メスが75〜80%」という説はシルバー遺伝子が常染色体(D2番染色体)にあるため誤り。三毛猫・茶トラのオレンジ遺伝子の話との混同と考えられる
- キジトラとの違い:地色を決めるシルバー遺伝子の有無のみ。模様自体は共通のマッカレルタビー
- 珍しさの理由:マッカレル模様の出やすさ+シルバー化条件が重なる2段階構造。「全体の◯%」という統計データは確認できていない
- 性格:グレーを含むタビーは、人への攻撃的な行動の報告が全体より少なかった(Stelow et al., 2016)。クールな見た目と実際の攻撃性は別物
- アメショとの関係:サバトラは柄、アメショのシルバータビーは体型・性格まで再現性のある品種。健康面の記録も含めて選びたい方に向いている選択肢
サバトラという柄そのものは品種ではなく、ブリーダーが繁殖できるものではありません。しかし、同じシルバータビーの魅力を持ちながら、遺伝子検査・健康診断の記録があるアメリカンショートヘアという選択肢もあります。サバトラの性格や柄だけでなく、健康面の見通しも大切にしたい方は、ぜひ検討してみてください。
出典
- Menotti-Raymond M, David VA, Eizirik E, Roelke ME, Ghaffari H, O'Brien SJ (2009). "Mapping of the Domestic Cat 'SILVER' Coat Color Locus Identifies a Unique Genomic Location for Silver in Mammals." *Journal of Heredity*, 100(Suppl 1): S8–S13. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3307065/
- Kaelin CB, Xu X, Hong LZ, et al. (2012). "Specifying and Sustaining Pigmentation Patterns in Domestic and Wild Cats." *Science*, 337(6101), 1536-1541. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22997338/
- Stelow EA, Bain MJ, Kass PH (2016). "The Relationship Between Coat Color and Aggressive Behaviors in the Domestic Cat." *Journal of Applied Animal Welfare Science*, 19(1), 1-15. https://escholarship.org/uc/item/4hf2b2st
- University of Missouri College of Veterinary Medicine, Feline Genetics and Comparative Medicine Laboratory. "Silver (Inhibitor) Genetic Testing in Domestic Cat Breeds." https://cvm.missouri.edu/research/feline-genetics-and-comparative-medicine-laboratory/silver-inhibitor-genetic-testing-in-domestic-cat-breeds/
- 国立国会図書館 レファレンス協同データベース(蒲郡市立図書館 回答). https://crd.ndl.go.jp/reference/entry/reference/show?page=ref_view&rnk=1&mcmd=200&mcup=200&mcbt=200&st=update&asc=desc&oldmc=100&oldst=update&oldasc=desc&fi=2_6+5_%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E4%BA%BA+6_0+4_%E8%A8%80%E8%91%89&lsmp=1&id=1000314237
- 九州大学 研究成果「三毛猫の毛色を決める遺伝子をついに発見」2025年5月16日. https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/1261/
- 京都大学野生動物研究センター 村山美穂教授研究室(researchmap). https://researchmap.jp/read0051637
※ 記事内の画像はイメージです。実際にお迎えいただける子猫の写真は子猫一覧でご覧いただけます。








