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この記事の要点: ラガマフィンが特に注意すべき病気は「HCM(肥大型心筋症)」「PKD(多発性嚢胞腎)」「PK欠損症」「毛球症」「尿路疾患」「肥満関連疾患」の6カテゴリ。遺伝子検査済みの子猫を迎え、年1回の定期検診を続けることでリスクを大幅にコントロールできます。
ラガマフィンはどんな病気にかかりやすい?

ラガマフィンは温厚で愛情深い大型長毛猫ですが、ルーツであるラグドールやペルシャから受け継いだ遺伝的な疾患リスクがあります。「テディベアのような猫」というイメージから健康面を軽視されがちですが、ブリーダーとしてはっきりお伝えできます——知識をもって備えれば、十分長く元気に暮らせる品種です。
この記事では、ラガマフィンがかかりやすい病気6種類を症状・予防法・遺伝子検査の観点から丁寧に解説します。これからお迎えを検討している方にも、すでに一緒に暮らしている方にも役立つ内容です。
1. HCM(肥大型心筋症)|最も注意すべき遺伝性心臓病

HCMとは、心臓の筋肉(心筋)が異常に肥厚し、心臓の機能が低下する疾患です。猫の心疾患の中で最も多く、ラガマフィンはその遺伝的リスクが高い品種として知られています。重症化すると心不全・血栓症・突然死につながることがある、重篤な病気です。
HCMの主な症状
- 息切れ・呼吸困難(口を開けて浅く速く呼吸する)
- 元気がない・動くのを嫌がる
- 食欲低下・体重減少
- 後肢の突然の麻痺・冷え(大動脈血栓症を併発した場合)
発症時期の目安: 中〜高齢期(5歳以降)が多いですが、2〜3歳の若齢で発症する例も報告されています。初期はほぼ無症状であるため、症状が出た時点ですでに進行していることも少なくありません。
ラガマフィンとHCM遺伝子
ラガマフィンはラグドールから分化した品種であり、ラグドール型MYBPC3遺伝子変異(R820W変異)のリスクがあります。さらに2023年以降、ラガマフィン固有のHCM遺伝子変異も検査対象に加わり、ラグドール型・メインクーン型の2項目を含む計4項目の遺伝子検査が実施可能になりました。
遺伝子検査の判定は「N/N(陰性)」「N/HCM(1コピー保因)」「HCM/HCM(2コピー)」の3パターンです。N/Nのみを繁殖に使用することが最もリスクを下げる選択です。なお変異陰性でもHCMを発症する可能性はゼロではないため、定期的な心臓エコー検査との組み合わせが必要です。Flowens Cat では繁殖に使う親猫のHCM関連遺伝子検査を実施しており、お迎えのときに、親猫の検査結果をもとにした「遺伝子疾患リスクの証明書」をお渡しします。詳しくは健康管理ページをご覧ください。
2. PKD(多発性嚢胞腎)|腎臓の遺伝性疾患

PKDとは、腎臓に嚢胞(水の入った袋)が形成される遺伝性疾患です。ラガマフィンは祖先にペルシャの血を引くため、ペルシャ系品種に多いこの疾患のリスクがあります。常染色体優性遺伝であり、変異遺伝子を1コピーもっていても発症します。
PKDの主な症状
- 多飲多尿(水をよく飲み、尿量が増える)
- 食欲不振・体重減少
- 嘔吐・元気消失(進行期)
- 腹部の膨張(大きな嚢胞が形成された場合)
発症時期の目安: 中年〜高齢(3〜7歳以降)から徐々に腎機能が低下します。若いころから定期的な腎臓マーカー(BUN・クレアチニン)の血液検査が有効です。
PKD遺伝子検査について
PKD1変異の有無は遺伝子検査で確認可能です。信頼できるブリーダーはPKD検査済みの親猫のみを繁殖に使用しています。Flowens Cat では親猫のPKD検査も実施しています。
3. PK欠損症(ピルビン酸キナーゼ欠損症)|見落としがちな血液疾患
PK欠損症は、赤血球のエネルギー産生に関わる酵素「ピルビン酸キナーゼ」が欠乏することで溶血性貧血を起こす遺伝性疾患です。アビシニアン・ソマリ・ラガマフィンなどで報告されており、比較的認知度が低いながらも重要な遺伝病です。
PK欠損症の主な症状
- 慢性的な疲れやすさ・元気のなさ
- 粘膜の蒼白(歯ぐき・目の粘膜が白い)
- 食欲低下・体重減少
- 腹部の膨張(脾臓の腫大)
PK欠損症も遺伝子検査で陰性確認ができます。HCM・PKDとあわせて3種類の遺伝子検査をすべてクリアした親猫のみで繁殖することが、健康な子猫を生む上での最低ラインです。
4. 毛球症|長毛種ゆえの消化器トラブル

毛球症は、毛づくろい(グルーミング)で飲み込んだ毛が消化管内に蓄積し、排出できなくなる病気です。ラガマフィンは、やわらかく豊かな被毛をもつ長毛種なので、毛球症に気をつけたい品種です。
毛球症の主な症状
- 繰り返す嘔吐・毛玉を吐こうとしてえずく
- 便秘・食欲不振
- お腹が張っている・元気がない
- 毛の混じった便
予防の最善策はブラッシングです。ブラッシングで抜け毛を取り除くことが、毛球症のリスクを下げます。猫の福祉団体 International Cat Care は、長毛の猫には少なくとも毎日のブラッシングを勧め、ブラッシングで毛球(ヘアボール)を防いだり減らしたりできると書いています。ラガマフィンの品種解説は、毛がもつれにくく、毎日の手入れは要らず、くしでとかすのは週1〜2回としています。週1〜2回を土台に、換毛期は回数を増やし、毎日は毛玉のできやすい場所をさっと触って確かめると、続けやすいです。毛球ケア対応のフードや毛球除去剤(麦芽エキス配合ペーストなど)の活用も効果的です。
5. 尿路疾患(尿路結石・膀胱炎)|オス猫は特に要注意
猫全般に多い尿路疾患はラガマフィンにも見られます。特にオス猫は尿道が細く閉塞しやすいため、尿路結石(にょうろけっせき)を見逃すと命に関わることがあります。
尿路疾患の主な症状
尿路疾患の予防
| 予防策 | 具体的な方法 |
|---|---|
| 水分摂取を増やす | ウェットフードの併用・流水ファウンテン設置 |
| フード選び | 低ミネラル・下部尿路ケア対応のフード |
| トイレ管理 | こまめな清掃・頭数+1個のトイレを用意 |
| 定期検査 | 年1回の尿検査・超音波検査 |
6. 肥満関連疾患|大型猫ゆえのリスク管理

ラガマフィンは大型の猫で、CFA(Cat Fanciers' Association)の記述では、成熟したオスは最大20ポンド(約9.1kg)、メスは15ポンド(約6.8kg)前後までとされています(kgはポンドからの換算で、上限側の書き方です)。温和な性格で運動量が少ない個体も多く、肥満になりやすい傾向があります。肥満は単独の病気ではなく、複数の深刻な疾患への入り口になります。
肥満が引き起こす主な二次疾患
| 疾患 | 概要 |
|---|---|
| 糖尿病 | インスリン抵抗性が高まり血糖値コントロールが困難になる |
| 変形性関節症 | 大きな体に余分な体重が加わり関節を傷める |
| 脂肪肝 | 急激な絶食でも起こりやすい(危険な病態) |
| HCM悪化 | 肥満は心臓への負担を直接増大させる |
| 呼吸器疾患 | 胸腔への脂肪圧迫で呼吸が浅くなる |
疾患別・症状・予防まとめ表
| 疾患 | 主な症状 | 主な予防・対策 |
|---|---|---|
| HCM(肥大型心筋症) | 呼吸困難・元気消失・後肢麻痺 | 親猫の遺伝子検査・定期的な心臓エコー(年1回がよく言われる目安) |
| PKD(多発性嚢胞腎) | 多飲多尿・体重減少・嘔吐 | 遺伝子検査・定期血液検査 |
| PK欠損症 | 貧血・疲れやすさ・粘膜蒼白 | 遺伝子検査(3項目全クリア個体) |
| 毛球症 | 嘔吐・便秘・食欲不振 | ブラッシング(週1〜2回を土台に、換毛期は増やす)・毛球ケアフード |
| 尿路疾患 | 血尿・頻尿・排尿困難 | 水分摂取促進・低ミネラルフード |
| 肥満関連疾患 | 体重増加・元気低下・関節痛 | 月1回体重測定・適正カロリー管理 |
定期健康診断のスケジュール目安
ラガマフィンの健康を守る上で、定期健康診断は最も重要な習慣です。
| 年齢 | 推奨検査内容 |
|---|---|
| 子猫(〜1歳) | ワクチン・寄生虫検査・血液検査・遺伝子検査結果確認 |
| 若齢(1〜5歳) | 年1回の一般身体検査・心臓聴診・体重管理 |
| 中高齢(5歳〜) | 定期的な心臓エコー(間隔は動物病院で相談)・腎臓マーカー(BUN/クレアチニン)・血圧測定 |
ブリーダー視点:遺伝子検査で何が変わるか

「遺伝子検査をしていれば安心」と思われがちですが、正確にはリスクを大幅に下げられるということです。Flowens Cat では以下の取り組みを行っています。
- 繁殖に使う親猫のHCM(ラグドール型・メインクーン型)・PKD・PK欠損症の4項目遺伝子検査(子猫個体の検査ではありません)
- HCM・PKD 陽性の親猫は繁殖ペアから外す
- お迎えのときに、親猫の検査結果をもとにした「遺伝子疾患リスクの証明書」をお渡し
遺伝子検査は「病気を100%防ぐ保証」ではありません。しかし遺伝で起きうるリスクを最小化する最善の手段であり、信頼できるブリーダーを選ぶ際の重要な指標です。
子猫選びの詳しい流れはお迎えの流れでご確認いただけます。
ペット保険について
HCMやPKDを含む遺伝性疾患は、保険商品によっては「先天性疾患」として補償対象外となることがあります。加入前に各社の約款を必ず確認し、遺伝性疾患をカバーするプランを選ぶことをおすすめします。
ラガマフィンの保険加入のポイント
- 心臓・腎臓疾患が補償対象かを確認
- 補償割合(70%/90%等)と年間上限額をチェック
- 若いうちに加入するほど保険料が安い傾向がある
よくある質問
Q1. 遺伝子検査をしていればHCMは絶対に発症しないですか?
いいえ、絶対ではありません。MYBPC3変異陰性でもHCMを発症するケースはあります。親猫の遺伝子検査は、変異を子猫に伝えないための手段です。それでも、定期的な心臓エコー検査との組み合わせが重要です(回数は、かかりつけの動物病院と相談してください)。
Q2. ラガマフィンの平均寿命はどれくらいですか?
一般的に12〜16年とされています。ただし遺伝性疾患への対応・体重管理・定期健診の実践によって、その差は大きく変わります。適切なケアを続けることが長寿につながります。
Q3. HCMの遺伝子検査はどこで受けられますか?
獣医師を通じて依頼できる専門の遺伝子検査機関が対応しています。Flowens Cat では、お迎えのときに、親猫の検査結果をもとにした「遺伝子疾患リスクの証明書」をお渡しします。
Q4. 毛球症の予防で一番効果的なことは何ですか?
定期的なブラッシングが最善策です。週1〜2回のブラッシングを土台に、換毛期は回数を増やし、毛玉のできやすい場所を毎日さっと触る習慣が、毛球症予防とスキンシップを兼ねた有効な対策です。
Q5. ラガマフィンのペット保険、入った方がいいですか?
HCMや尿路疾患などの治療費は数万〜数十万円になることがあります。若いうちに遺伝性疾患をカバーするプランに加入することをおすすめします。保険選びの際は補償対象の疾患リストを必ず確認してください。
Q6. 遺伝子検査の結果はどうやって確認すればいいですか?
信頼できるブリーダーは書面または公式の検査機関発行の証明書で提出できます。口頭だけの説明には注意が必要です。Flowens Cat では、お迎えのときに、親猫の検査結果をもとにした「遺伝子疾患リスクの証明書」を紙でお渡しします。
まとめ:ラガマフィンの健康を守るために
ラガマフィンは遺伝的なリスクがある品種ですが、「遺伝子検査済みの子猫を迎える・定期健診を続ける・体重管理をする」の3点を実践することでリスクを大幅にコントロールできます。
特に重要なのは「信頼できるブリーダーから迎えること」です。HCM・PKD・PK欠損症の遺伝子検査を全項目クリアした親猫から生まれた子猫を選ぶことが、健康な一生の第一歩になります。
Flowens Cat では親猫全頭の遺伝子検査と獣医師による健康診断を実施したラガマフィンの子猫をご紹介しています。現在ご縁をつないでいる子猫は子猫一覧でご確認ください。ラガマフィンの性格や品種の詳細はラガマフィンの品種ページでご覧いただけます。健康管理や遺伝子検査についてのご相談はいつでもお気軽にどうぞ。
※ 記事内の画像はイメージです。実際にお迎えいただける子猫の写真は子猫一覧でご覧いただけます。










