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この記事の要点:保護猫の後悔は、猫の性格より「年齢や病歴が分からない」「条件が合わない」「迎えて最初の1か月」で起きやすいです。アメリカの研究では、迎えた成猫の約9割は戻っていません。預かりボランティアの家にいた猫は、戻りがいちばん少なくなりました。期間・中止・返還・費用の4つを迎える前に書面で確かめれば、後悔は減らせます。「保護猫を飼うんじゃなかった」と検索する人の多くは、もう保護猫を迎えて、つらい気持ちでいる人だと思います。その気持ちは、責められるものではありません。
この記事は、これから保護猫を迎えるか迷っている人に向けて書きました。しつけや病気の治し方ではなく、「どんな場面で後悔が出やすいのか」「迎える前に何を確かめれば減らせるのか」を、開いて確かめた資料の数字でまとめています。保護猫のよさも同じ重さで書きます。Flowens Catは子猫をお迎えいただくブリーダーですが、保護猫を迎える選択は、命をつなぐ大切な選び方だと考えています。
猫全般の「飼う大変さ」や後悔の割合は、猫を飼うデメリットの記事に任せます。ここでは保護猫ならではの話に絞ります。
保護猫を迎えて「飼うんじゃなかった」と思うのは、どんなとき?

後悔が出やすいのは、迎えて最初の1か月と、時間がたってからの暮らしの事情の、2つの時期です。時期によって、原因の顔ぶれが違います。
アメリカの保護施設の研究(成猫2,642頭)では、迎えられた猫の11.70%が4年以内に戻されました。戻った猫の約半数は、迎えて30日以内でした。つまり、約9割は戻っていません。
戻された理由の上位は、行動(トイレ以外での排泄やかみつきなど)、飼い主さんの個人的な事情、先に飼っていた他のペットとの相性でした。30日以内に多かったのは猫と暮らしの相性、30日をすぎてからは、飼い主さんの事情と費用でした。
子猫でも、最初の1か月は同じです。保護団体から生後6〜13週で迎えた子猫126頭の飼い主さんに聞いた調査では、迎えて約1か月のあいだに50.8%(64頭)が、トイレ以外での排泄、人へのかみつきや攻撃、他の猫への攻撃のどれかを示しました。
ここでの数字は、後悔の割合ではなく、アメリカの施設の記録です。日本の保護猫や、ブリーダーから迎えた猫にそのまま当てはまる数字でもありません。それでも、次のことは先に知っておくと、気持ちの置き方が変わります。
- 最初の1か月は、失敗や、うまくいかない日があって当たり前の時期です
- 1か月をすぎたあとは、猫の問題より、お金や家族の事情が理由になりやすくなります
当社でも、お渡しのときは、いま使っている猫砂(においのついた砂)を袋に入れ、ごはんの銘柄と量もお伝えしています。環境が変わった直後の子は、トイレの失敗が出ることがあるためです。保護猫でも、前にいた場所の猫砂やごはんの情報を聞いておくと、同じ助けになります。初日の過ごし方は子猫お迎え初日の過ごし方にまとめました。
保護猫の注意点は?迎える前に確かめたい、分からないこと

保護猫に特有の注意点は、年齢や病歴などの情報が少ないこと、保護された背景、希望の猫に出会えないこと、手続きや費用が団体ごとに違うことです。どれも迎える前に質問して確かめられます。
環境省のパンフレット「保護犬や保護猫の譲渡を考えてみましょう」は、注意点として次の項目を挙げています。
| 注意点 | 迎える前に聞くこと |
|---|---|
| 年齢や病歴、これまでの飼育環境などの細かい情報がない場合がある | 分かっている年齢、通っていた病院、かかった病気、ワクチンの記録、保護された経緯 |
| 保護されるに至った背景によっては、特別な理解と技術が必要な場合がある | 人への慣れ具合、苦手なもの(音、抱っこ、他の猫)、預かり先での様子 |
| 種類や年齢、大きさなど、希望する猫に出会えない場合や、条件により譲渡してもらえない場合がある | 条件に合うかを、申し込む前に聞く |
| 譲渡までの流れ、必要な書類、条件は、自治体や団体でそれぞれ異なる | 手続きの順番、必要な書類、日数 |
| それまでの飼育費用やワクチン代などを請求される場合もある | 金額と、何に使われるかの内訳 |
条件の例として、宮城県の猫の譲渡の申込条件を挙げます。県内に住む18歳以上であること、家族全員の同意があること、終生飼養できること、不妊去勢手術などの繁殖制限を行えること、集合住宅や借家なら飼うことが承認されていること、誓約書を守れること、調査や指導に協力できることなど、10項目です。全国共通の基準ではありません。ただ、条件を満たせるかを、迎える前に問われる仕組みだと分かります。
条件が細かいのは、猫を守るための仕組みです。後悔を減らす面もあるので、断られたときは、猫の問題ではなく条件が合わなかっただけだと受け止めて、別の団体や別の子を探せば大丈夫です。
保護猫が戻される確率は?どこで過ごした猫かで変わる

迎えられた猫が戻される割合は、迎えられる前に最後にいた場所で違いました。預かりボランティアの家が7.02%と最も低く、施設の集団飼育のケージが16.61%と最も高い結果でした。
先ほどの2,642頭の追跡研究で、迎えられる前に最後にいた場所ごとの、戻された割合です。
| 迎えられる前に最後にいた場所 | 戻された割合 | 割合(■1つが約2%) |
|---|---|---|
| 預かりボランティアの家(フォスター) | 7.02% | ■■■ |
| 施設外の場所 | 10.99% | ■■■■■ |
| 単独のケージ | 13.42% | ■■■■■■ |
| 集団飼育のケージ | 16.61% | ■■■■■■■■ |
この表は、「保護猫は戻されやすい」という話ではなく、「迎える前にどう会うか」が効く話として読めます。家の中で暮らしている預かり先の猫は、普段の性格を、迎える前に知りやすいからです。これは当社の推測です。
実際に動ける選び方は3つです。
- 預かりボランティアの家にいる子を、候補に入れる
- 施設で会うなら、ケージの前で見るだけでなく、触れたときの様子や、普段の過ごし方を聞く
- 1回で決めず、2回以上会いに行く
この研究は、アメリカの1つの大きな保護施設の、1歳を超える成猫の記録です。日本の保護猫の返還率や、トライアルでの返還の割合は、全国の傾向を示す資料が見つかっていないため、ここでは書けません。
保護猫のよさは何?命をつなぐ・性格が分かる・相談できる

保護猫のよさは、命を救えること、成猫なら体格や性格がある程度分かること、聞き取りで環境に合う子を紹介してもらえることです。後悔の話ばかり読むと不安になりますが、よさも事実として大きいです。
環境省のパンフレットは、良い点として次の6つを挙げています。
| 良い点 | 中身 |
|---|---|
| 命を救える | 動物の命を救い、新しい飼い主として、安心な環境を提供できる |
| 性格がある程度分かる | 成猫は子猫と違い、体格や性格がある程度分かる |
| 環境に合う子を紹介してもらえる | 住居の形、家族構成、1日の在宅時間の聞き取りが慎重に行われ、環境に見合った年齢や性格の猫を引き取れる |
| トライアルがある場合も | 実際に一緒に暮らしてみる期間を設けている場合があり、相性や性格の観察ができる |
| 活動に協力できる | 地域の自治体や動物愛護団体の活動に協力できる |
| 相談できる場合も | 譲渡前の講習会や、譲渡後のしつけ方教室などで、相談や情報提供を受けられる場合がある |
成猫の「性格がある程度分かる」は、大きな強みです。見た目の好みよりも、人なつこいか、物静かか、他の猫と暮らせるかといった、暮らしやすさで選べます。迷っている人は、候補の子の性格を、団体の人に何度も質問してみてください。
保護猫のトライアルでは、何を書面で確かめる?期間・中止・返還・費用

トライアル(正式に譲渡が決まる前に、実際に一緒に暮らしてみる期間)の取り決めは、団体ごとに違います。期間、中止の条件、返還の条件、費用の負担の4つを、始める前に書面で確かめるのが安心です。
トライアルは、ミスマッチを減らすよい仕組みです。ただ、国のルールがはっきりしていない面があります。2023年1月に、参議院議員から出された質問主意書は、トライアル中の犬や猫の所有権が、保護主と希望者のどちらにあるのかを政府に問うています。環境省の過去のガイドライン(平成18年、平成21年)が、トライアル飼育にほとんど触れていない点も指摘しています。政府の答えは、ここでは確認していません。
だから、団体のルールを、口頭ではなく書面で確かめておくことが、猫にも自分にも大切です。次の4つを聞いてください。
| 確かめること | 具体的な質問 |
|---|---|
| 期間 | 何日(何週間)ですか。延ばせますか |
| 中止の条件 | 合わないと感じたとき、いつまでに、誰に、どう伝えればよいですか |
| 返還の条件 | 返す場合、どこへ、どんな手順で、猫の状態に条件はありますか |
| 費用の負担 | トライアル中の医療費、ごはん、用品は誰が負担しますか。返すときの費用は |
もう1つ、トライアルを始める前に決めたいのは、同居の家族と先住のペットです。戻された理由の上位に、先住ペットとの相性や、家族の事情がありました。家族全員に会ってもらい、先住の猫がいるなら、顔合わせの手順を団体に相談しておきましょう。
子猫から迎えたい、品種で選びたい人は?ブリーダーという選び方

子猫から迎えたい人や、品種を選びたい人には、ブリーダーから迎える方法もあります。保護猫が劣る、ブリーダーが優れる、という話ではなく、何を大切にするかの違いです。
環境省のパンフレットも、保護猫は希望する種類や年齢、大きさに出会えない場合があると書いています。「子猫のうちから一緒に育てたい」「毛の長さや大きさを選びたい」という希望がはっきりしているほど、希望と実際の猫のずれが、後悔になりやすくなります。希望がはっきりしている人は、最初からその希望を選べる迎え方も、候補に入れてみてください。
Flowens Catが、子猫のお迎えのときに約束していること、行っていることは、次のとおりです。
- 子猫の価格に、親猫の遺伝子検査・1回目のワクチン・マイクロチップ・提携の獣医師の健康診断・駆虫・60日の生体保障・ごはん10日分・缶詰・飼育説明書の9項目が含まれます。2回目のワクチンまで済んでいる子だけ、別に3,000円かかります
- 見学は事前予約制です。オンライン見学もできます。子猫の体調が良ければ、見学当日のお迎えもできます
- お迎え後は、LINEでブリーダーにいつでも相談できます
- 成約後、最大1か月、子猫をお預かりします
遺伝子検査は、繁殖に使う親猫に行うもので、子猫個体には行っていません。子猫には、獣医師の署名入りの健康診断書を1頭ずつ出しています。
保護猫と、ブリーダー、ペットショップの違いは、里親とブリーダーの違いとペットショップとブリーダーの違いにまとめました。選ぶ前に費用を知りたい方は猫を飼う費用、子猫の見分け方は子猫の選び方を読んでみてください。どの迎え方でも、「迎える前に質問して、書面で確かめる」ことは同じです。
よくある質問
保護猫は後悔しやすいですか?
保護猫だから後悔しやすい、とは言えません。迎えた成猫の約9割は戻っていません(本文のアメリカの数字)。ただ、年齢や病歴が分からないことが多いので、分かる範囲を迎える前に聞き、最初の1か月は失敗があって当たり前と考えておくと、気持ちが楽になります。
保護猫を返すことはできますか?
返せるかどうかと、その手順は、団体ごと、トライアルの取り決めごとに違います。迷い始めたら、すぐに迎え先の団体や自治体に相談してください。自分で外に放したり、置き去りにしたりしてはいけません。始める前に、返還の条件を書面で確かめておくと安心です。
保護猫と子猫から迎えるのは、どちらが大変ですか?
どちらが大変かは、人と猫で変わります。成猫の保護猫は、性格がある程度分かる強みがあります。子猫は、生活のリズムを一から作る手間がありますが、育つ様子を最初から見られます。どちらの迎え方でも、最初の1か月は行動の悩みが出やすい時期です。
保護猫の子猫を迎えることはできますか?
できます。令和6年度の猫の譲渡16,854頭のうち、幼齢個体が9,388頭でした。保護団体や自治体によって、子猫の受け入れ時期や条件が違うので、直接問い合わせてください。
保護猫を迎える費用はいくらですか?
団体と自治体で違い、数千円から数万円とされることが多いです。何に使われる費用か、ワクチンや不妊去勢の手術が含まれるかを確かめてください。
まとめ
保護猫を飼って後悔する場面は、年齢や病歴が分からない、条件が合わない、迎えて最初の1か月、の3つに分けられます。迎えた成猫の約9割は戻らず、預かりボランティアの家にいた猫は、戻りが最も少ない結果でした。
迎える前に、期間・中止の条件・返還の条件・費用の負担の4つを、書面で確かめてください。保護猫には、命をつなぐこと、性格がある程度分かることという、大きなよさがあります。
子猫から迎えたい、毛の長さや大きさを選びたいという希望がはっきりしている方は、子猫一覧も見てみてください。見学だけでも歓迎しています。お迎えまでの手順はお迎えの流れにまとめています。
出典
各URLは2026年10月17日に開いて、本文で使った内容が載っていることを確認しました。英語の内容の日本語は、当社の訳です。
- Mundschau V, Suchak M. "When and Why Cats Are Returned to Shelters." Animals (Basel). 2023;13(2):243. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36670783/ /全文 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9854428/ ※アメリカの1つの保護施設・1歳を超える猫2,642頭。場所の分類は、猫が迎えられる前に施設内で最後にいた場所
- Wright JC, Amoss RT. "Prevalence of house soiling and aggression in kittens during the first year after adoption from a humane society." J Am Vet Med Assoc. 2004;224(11):1790-5. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15198263/
- 環境省「保護犬や保護猫の譲渡を考えてみましょう」(パンフレット。2016年作成) https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2810a/pdf/05.pdf
- 環境省「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」(令和6年度) https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html ※幼齢個体の割合(約56%)は9,388÷16,854の当社の計算
- 宮城県「猫の譲渡の流れ」(譲渡申込の条件) https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/doubutuaigo/jyoto-neko-nagare.html ※宮城県の例で、全国共通の基準ではありません
- 参議院「保護犬又は保護猫の譲渡前のトライアル飼育に関する質問主意書」(塩村あやか議員・令和5年1月25日提出・第211回国会 質問第二号) https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/211/syuh/s211002.htm ※質問であり、政府の答弁は確認していません
※ 記事内の画像はイメージです。実際にお迎えいただける子猫の写真は子猫一覧でご覧いただけます。








