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この記事の要点:アメリカンショートヘア(アメショ)の平均寿命は、保険会社の最新の集計(2023年度)で13.9歳、5年とも13.5〜13.9歳と、よく見かける「15〜20年」より短めです。猫全体は14.5歳。肥満・HCM(肥大型心筋症)・PKD(多発性嚢胞腎)の3つのリスクに気をつけ、年齢別ケアと定期健診を続けることが、長く暮らす準備の中心です。
アメリカンショートヘアの平均寿命は?|最新13.9歳、5年とも13.5〜13.9歳

アメリカンショートヘアの平均寿命は、保険会社のアニコム損保が公表した最新の集計(2023年度)で13.9歳です。同じ集計の猫全体は14.5歳、混血猫(雑種)は14.9歳でした。
「平均寿命」は、いま生まれた猫が、平均してあと何年生きるか(0歳時点の平均余命)を、保険に入っていた猫の記録から計算した数字です。5年分を並べます。
| 年度 | アメリカンショートヘア | 混血猫 | 猫全体 | アメショと猫全体の差 |
|---|---|---|---|---|
| 2019年度 | 13.5歳 | 15.0歳 | 14.3歳 | −0.8歳 |
| 2020年度 | 13.6歳 | 14.9歳 | 14.4歳 | −0.8歳 |
| 2021年度 | 13.8歳 | 15.2歳 | 14.7歳 | −0.9歳 |
| 2022年度 | 13.7歳 | 15.0歳 | 14.5歳 | −0.8歳 |
| 2023年度 | 13.9歳 | 14.9歳 | 14.5歳 | −0.6歳 |
アメリカンショートヘアは、5年とも13.5〜13.9歳の間に収まりました。「15〜20年」と紹介されることが多いのですが、5年とも14歳に届いていません。猫全体との差は、5年とも0.6〜0.9歳短い程度です。
見かける数字と、5年の実測
| 見かける数字 | 5年の実測と比べると |
|---|---|
| 15〜20年 | 5年とも14歳に届いていない。15年に近い年もない |
| 13.9歳 | 最新(2023年度)の値と同じ |
- 保険に入っていた猫の記録で、日本のアメリカンショートヘア全部の平均ではありません。
- 表に載るのは、契約の多い上位20品種だけです。
- 死亡の手続きは、あとから届くことがあります。過去の年の数字は、あとで少し変わることがあります。1年分だけで決めず、5年を見てください。
アメリカンショートヘアの品種ページでは、いまご案内できる子猫を確認できます。
アメショは長生き?|祖先の話と、寿命の数字

アメリカンショートヘアは、17世紀にヨーロッパからアメリカ大陸へ渡った作業猫を祖先に持つ品種です。特定の近親交配を繰り返して作られた純血種とは違い、雑種の猫が祖先にいる、と言われます。
ただ、保険会社の5年の集計では、アメリカンショートヘアは猫全体より0.6〜0.9歳短く出ています。「雑種が祖先だから丈夫で長生き」とは言えません。祖先の話が、寿命の数字にどう影響しているのかは、この数字からは分かりません。そこで次の節から、病気と年齢別のケアで、長く暮らす準備を見ていきます。
アメショが注意すべき病気(1)HCM(肥大型心筋症)
アメリカンショートヘアで最も警戒が必要な疾患がHCM(肥大型心筋症)です。心臓の筋肉が肥大して血液を効率よく送り出せなくなる病気で、猫の心臓病の中で最多を占めます。
- 年齢: 日本の保険の請求で、アメショの心筋症の請求がいちばん多い年齢は9歳でした(若い猫にも起こります)
- 症状: 初期は無症状が多い。進行すると呼吸が荒い、食欲不振、元気消失
- 対策: かかりつけの動物病院で、聴診や、必要に応じた心エコー検査など、心臓の検診を相談する
猫のHCMでこれまでに因果関係が確認されている遺伝子変異はMYBPC3遺伝子のA31P型とR820W型の2種類のみですが、これらはそれぞれメインクーン(A31P型)とラグドール(R820W型)に固有の変異であることが世界28品種・1,855頭を対象にした調査で確認されており(Longeri et al., 2013, *Journal of Veterinary Internal Medicine*)、アメリカンショートヘア固有の原因変異は現時点で特定されていません。Flowens Catでは全品種の親猫に、この2種の変異を確認する遺伝子検査を行っていますが、アメリカンショートヘア自身のHCMリスクを直接示す遺伝子検査ではない点にご留意ください。当社の健康診断には心臓エコー検査は含まれていないため、お迎え後はかかりつけ医で、心臓の検診(聴診、必要に応じて心エコー)を相談することをおすすめしています。詳しくは健康管理ページをご覧ください。
アメショが注意すべき病気(2)肥満と関連疾患

猫は、屋外に出られず、ドライフードが中心だと太りやすくなります。アメショも同じで、成猫になって活動量が減ったら、食事量を管理しないと肥満になります。
成猫の体重は、品種団体の CFA と TICA の品種ページに数字の記載がありません。よく言われる目安はオス4〜7kg・メス3〜5kg前後ですが、理想の体重は骨格で一頭ずつ違うので、動物病院で体型(ボディコンディションスコア)を見てもらい、その子の目標を決めます。体重の見方はアメリカンショートヘアの体重にまとめています。
肥満が引き起こす主なリスク:
- 糖尿病: インスリンの効きが悪くなる。米国の動物病院の調査では、太りすぎの猫は、理想の体重の猫より発症する確率が3.9倍だった(Scarlett ら、1998年)
- 関節炎: 体重増加が関節への負担を直撃
- 脂肪肝(肝リピドーシス): 急激な食欲不振時に発症リスクが上昇
体型管理は「ボディコンディションスコア(BCS)」で月1回チェックする習慣をつけると、変化に気づきやすくなります。
アメショが注意すべき病気(3)PKD(多発性嚢胞腎)
PKD(多発性嚢胞腎)は腎臓に嚢胞(液体が溜まった袋)が多数形成される遺伝性疾患です。アメリカンショートヘアでも見つかることがあります。日本で獣医師が検査に出した猫の調査では、アメショ34頭のうち16頭に変異がありました(Sato ら、2019年)。ただし、超音波検査で嚢胞が疑われた猫や、PKD の猫の親族などが多く含まれた検査で、一般のアメショの割合ではありません。
- 遺伝形式: 常染色体優性遺伝(片親が陽性なら50%の確率で遺伝)
- 症状の出方: 中高年(5〜7歳以降)から腎機能低下として現れることが多い
- 遺伝子検査: PKD1遺伝子変異の有無をDNA検査で確認可能
当社は、繁殖に使う親猫のPKD遺伝子検査を行い、陽性の親猫は繁殖ペアから外しています(子猫個体の検査はしていません)。
年齢別ケアガイド:シニア期を元気に過ごすために

子猫〜2歳(成長期)
- 高タンパク・高カロリーのキトン用フードで骨格と筋肉をしっかり作る
- ワクチン接種・駆虫・マイクロチップ装着を計画的に
- 人や他の猫への社会化を丁寧に進める
3〜6歳(壮年期)
- 食事をアダルト用フードに切り替え、体重管理を開始
- 心臓の検診(聴診、必要に応じて心エコー)をかかりつけと相談する
- 歯石予防のデンタルケアを習慣化
7〜10歳(中高年期)
- 年2回の血液検査・尿検査で腎機能・肝機能をモニタリング
- 関節サポートのサプリメントを検討
- 室温管理と段差の低減(ステップの設置など)
11歳以上(シニア期)
- 高齢猫用フード(低リン・高水分)へ移行を検討
- 認知機能障害(猫の認知症)のサインに注意(夜鳴き・迷子行動)
- かかりつけ獣医師と連携して個別の健診プランを立てる
Flowens Catの遺伝子検査と健康保証

Flowens Catでは、すべての親猫に以下の検査を実施しています。
- HCM遺伝子検査(MYBPC3のA31P型・R820W型)
- PKD1遺伝子検査
- ピルビン酸キナーゼ(PK)欠損症の遺伝子検査
- 子猫お渡し前の獣医師による健康診断(視診・触診・聴診。署名入りの診断書を1頭ずつ発行)
なお心臓エコー検査・血液検査・尿検査は実施していません。HCMは初期に症状が出にくく、 エコーでしか捉えられない段階があるため、お迎え後にかかりつけ医で定期的に診てもらうことをおすすめしています。
お迎えのときは、親猫の検査結果をもとにした「遺伝子疾患リスクの証明書」(当社発行)を、紙でお渡ししています。子猫個体の検査ではありません。現在ご案内できるアメショの子猫は子猫一覧ページからご確認いただけます。
お迎えを検討中の方は、アメリカンショートヘアの性格・特徴や価格・費用の目安の記事もあわせてご覧ください。
よくある質問
アメリカンショートヘアの平均寿命は何年ですか?
保険会社の最新の集計(2023年度)で13.9歳です。猫全体は14.5歳、混血猫は14.9歳でした。過去5年の数字は13.5〜13.9歳で、猫全体より0.6〜0.9歳短い程度です。保険に入っていた猫の平均なので、1頭ずつの寿命は、体重・病気・健診で変わります。
「15〜20年」は本当ですか?
いいえ、実測は「15〜20年」より短めです。最新は13.9歳で、5年とも14歳に届いていません。目安にするなら13.9歳です。そこから長く暮らす準備は、体重の管理と健診です。
アメリカンショートヘアの最長寿命は何歳ですか?
20歳を超える猫もいます。寿命は個体差・飼育環境・医療ケアによって大きく変わります。平均は最新の集計で13.9歳なので、年数の目標より、健診と食事管理を続けることが現実的なアプローチです。
アメショはオスとメスで寿命に差がありますか?
英国の動物病院の記録(2019年に亡くなった猫7,936頭)では、0歳の猫がこれから生きる年数の平均は、メスが12.51年、オスが11.18年で、メスのほうが1.33年長い結果でした。同じ記録では、避妊・去勢をしていない猫のほうが寿命が短い結果も出ています。品種別に分けた数字ではないので、アメリカンショートヘアにそのまま当てはまるかは分かりません。去勢手術はホルモン関連疾患のリスクを下げ、外出・喧嘩による事故も減らす効果があります。
HCMを早期発見するにはどうすればいいですか?
HCMは初期症状がほとんど出ないため、聴診だけでは見つからないことがあり、心エコー検査が早期発見の手段の1つになります。始める時期と頻度は、かかりつけの動物病院と相談して決めてください。当社の健康診断には、心エコー検査は含まれていません。
アメショは室内飼いで長生きできますか?
はい、室内で暮らすことは長寿につながりやすい環境です。交通事故・感染症・喧嘩による外傷のリスクが大きく下がるため、室内猫は屋外のみで暮らす猫より長生きする傾向があります。米国の動物病院で剖検を受けた猫3,108頭を調べた研究(Kent ら、2022年、PLOS ONE)では、死亡時の年齢の中央値が、室内のみの猫で9.43歳、屋外のみで暮らす猫で7.25歳と、約2年の差がありました(室内と屋外を行き来する猫は9.82歳)。平均寿命そのものではなく、この病院で亡くなった猫の年齢の中央値である点にはご注意ください。室内環境を豊かにするキャットタワーや遊び時間の確保が大切です。
寿命を縮めやすい食事の間違いはありますか?
気をつけたいのは給与量のオーバーです。パッケージ記載の「目安量」は上限の目安であり、運動量が少ない室内猫には多すぎるケースがあります。体重と体型(BCS)を月1回確認しながら微調整し、おやつのカロリーも1日摂取量の10%以内に収めることが基本です。また、ドライフードだけでは水分不足になりやすいので、ウェットフードの併用か飲水の工夫(流水式給水器など)も長寿ケアに有効です。
まとめ:アメショと長く暮らすために
アメリカンショートヘアの平均寿命は、保険会社の最新の集計で13.9歳です。5年とも13.5〜13.9歳で、「15〜20年」より短い数字でした。HCM・肥満・PKDという3つのリスクを知って管理することが、長く暮らす準備の中心です。
年齢別のケアを継続し、かかりつけ獣医師と連携した定期健診を欠かさないことが最大の長寿対策です。Flowens Catでは、繁殖に使う親猫の遺伝子検査をしたうえで、アメショの子猫をご案内しています。気になる方はまず子猫一覧をのぞいてみてください。
出典
- Longeri M, Ferrari P, Knafelz P, Mezzelani A, Marabotti A, Milanesi L, Pertica G, Polli M, Brambilla PG, Kittleson M, Lyons LA, Porciello F. "Myosin-binding protein C DNA variants in domestic cats (A31P, A74T, R820W) and their association with hypertrophic cardiomyopathy." *Journal of Veterinary Internal Medicine*. 2013;27(2):275-85. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23323744/ (MYBPC3 A31P型はメインクーン、R820W型はラグドールに限定されると報告)
- アニコム損害保険「家庭どうぶつ白書」猫種別の平均寿命(アメリカン・ショートヘア・混血猫・猫全体の値を5年度分。0歳時点の平均余命。猫は契約頭数の上位20品種。数字は2026年10月にPDFの表で確かめた). 2023年度 https://www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_202512_2_4.pdf / 2022年度 https://www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_202412_2_5.pdf / 2021年度 https://www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_202312_2_4.pdf / 2020年度 https://www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_202212_2_4.pdf / 2019年度 https://www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_202112_2_3.pdf
- Kent MS, Lucroy MD, Dank G, et al. "Longevity and mortality in cats: A single institution necropsy study of 3108 cases." *PLOS ONE*. 2022;17(12):e0278199. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9799304/ (死亡時年齢の中央値:室内のみ9.43歳、室内と屋外9.82歳、屋外のみ7.25歳)
- Scarlett JM, Donoghue S. "Associations between body condition and disease in cats." *Journal of the American Veterinary Medical Association*. 1998;212(11):1725-31. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9621878/ (米国の動物病院27施設の猫1,457頭を約4.5年追跡。太りすぎの猫は、理想の体重の猫より糖尿病になる確率が3.9倍)
- Sato R ほか. "Epidemiological evaluation of cats associated with feline polycystic kidney disease caused by the feline PKD1 genetic mutation in Japan." *Journal of Veterinary Medical Science*. 2019;81(7):1006-1011. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31155548/ (日本で獣医師が検査に出した猫377頭。PKD1の変異はアメショ34頭中16頭。嚢胞が疑われた猫や PKD の猫の親族を含む検査で、一般の割合ではない)
- Teng KT, Brodbelt DC, Church DB, O'Neill DG. "Life tables of annual life expectancy and risk factors for mortality in cats in the UK." *Journal of Feline Medicine and Surgery*. 2024;26(5):1098612X241234556. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38714312/ (英国の動物病院で2019年に亡くなった猫7,936頭。0歳時点の平均余命はメス12.51年・オス11.18年。避妊・去勢をしていないことが短い寿命と関連)
※ 記事内の画像はイメージです。実際にお迎えいただける子猫の写真は子猫一覧でご覧いただけます。






