猫の夜泣きとは?原因は「生理的・心理的・病的」の3種類
猫の夜泣き(夜鳴き)とは、深夜〜早朝に繰り返す大きな鳴き声のことです。原因は大きく3種類に分けられます。
| 分類 | 主な原因 | 多い年齢 |
|---|---|---|
| 生理的 | 空腹・のどの渇き・トイレの汚れ・発情 | 全年齢 |
| 心理的 | 孤独感・環境変化・ストレス・認知的混乱 | 子猫・高齢猫 |
| 病的 | 痛み・甲状腺機能亢進症・認知症・高血圧など | 成猫〜高齢猫 |
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子猫の夜泣きはなぜ起こる?お迎え初期の対処法
お迎え直後の子猫が夜泣きするのは、きょうだいや母猫から離れた寂しさが主な原因です。これは病気ではなく自然な反応で、多くの場合3〜7日以内に落ち着きます。
子猫の夜泣きに効果的な対処法
- ブリーダーから受け取った毛布やタオルをケージに入れる — 母猫・きょうだいの匂いが安心材料になります
- ケージを寝室に置く — 飼い主の呼吸音・体温を感じると落ち着く子が多いです
- フェロモン剤(フェリウェイ等)を使用する — 猫の安心フェロモンを模した製品で、環境変化のストレスを和らげます
- ぬるいお湯を入れたペットボトルをタオルで包んでケージに入れる — 母猫の体温を擬似的に再現する方法です
Flowens Cat ではお渡し時に「同じ匂いのついたタオル」をお渡しするようにしています。初日の夜泣きへの具体的な対応は子猫お迎え初日ガイドもあわせてご覧ください。
子猫の夜泣きでやってはいけないこと
鳴くたびに抱き上げてあやすと、「鳴けば来てくれる」と学習して夜泣きが習慣化します。心を鬼にして数分待ち、鳴き止んだタイミングで声をかける「消去法」が有効です。
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成猫の夜泣きはなぜ起こる?発情・ストレス・病気を見分けるポイント
成猫(1〜7歳前後)の夜泣きは、以下の3つが主な原因です。
1. 発情期による夜鳴き
避妊・去勢手術をしていない猫は、発情期に非常に大きな声で繰り返し鳴きます。メス猫は春・秋を中心に年に2〜3回発情し、オス猫は発情したメスの匂いに反応して鳴き続けます。発情期の夜鳴きは「本能」なので、根本的な解決策は避妊・去勢手術です。
| 性別 | 発情の特徴 | 周期 |
|---|---|---|
| メス | 大きな声でうなるような鳴き声、腰を低くするポーズ | 春・秋が多い、約2〜3週間間隔 |
| オス | 窓の外に向かって大声で鳴く、スプレー行動 | メスの発情に反応して通年 |
2. ストレスによる夜鳴き
引っ越し・リフォーム・新しいペットの導入・家族構成の変化など、環境が変わったタイミングで夜泣きが始まった場合はストレスが原因の可能性があります。高い場所・隠れ場所を確保し、猫が自分のペースで環境に慣れる時間を与えてください。
3. 痛みや病気による夜鳴き
突然夜泣きが始まった、声のトーンがいつもと違う、他の症状を伴う場合は病気のサインかもしれません。特に尿路結石や膀胱炎は排尿時の痛みから夜泣きに繋がることがあります。健康管理のページで日常的な健康チェックの方法を確認しておくことをお勧めします。
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高齢猫の夜泣きはなぜ起こる?認知症・不安・病気を見分ける方法
高齢猫(10歳以上)の夜泣きは、認知機能の低下(猫の認知症)が主な原因の一つです。若い頃には夜泣きしなかった猫が突然、夜中に大きな声で鳴き続けるようになった場合は要注意です。
高齢猫の夜泣きに多い原因
| 原因 | 特徴 | 対処の方向性 |
|---|---|---|
| 猫の認知症(CDS) | 夜中に方向を失う、ぼんやりしている、ルーティンが崩れる | 獣医師への相談、環境の単純化 |
| 甲状腺機能亢進症 | 食欲増加・体重減少を伴う、過活動 | 血液検査・投薬治療 |
| 高血圧 | 視力の変化・眼の異常を伴うことがある | 血圧測定・投薬治療 |
| 慢性腎臓病 | 多飲多尿・食欲不振・体重減少 | 定期的な血液・尿検査 |
| 聴力・視力の低下 | 暗闇や静寂への不安から鳴く | 夜間のナイトライト設置、声かけ |
高齢猫の夜泣き対処法
- 夜間もうっすら明かりを残す(真っ暗は不安を高める)
- トイレや水の場所を増やす・近くに置く(移動距離を短縮)
- 毎日同じ時間にご飯・遊びのルーティンを作る
- 夜泣きが続く場合は必ず動物病院で検査を受ける
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動物病院に行くべきサインはどれ?判断チェックリスト
以下の症状が一つでもある場合は早めに動物病院を受診してください。
- 夜泣きが突然始まった(以前はしなかった)
- 声のトーンや鳴き方が普段と明らかに違う
- 食欲不振・体重減少・多飲多尿を伴っている
- トイレに何度も行くが尿が出ない・少量しか出ない
- ぐったりしている・よろける・ぶつかる
- 10歳以上で夜泣きが新たに始まった
特にトイレに行くのに尿が出ない状態(尿閉)はオス猫の緊急事態です。12時間以内に受診してください。子猫の健康チェックポイントでは日常観察の基本も解説しています。
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夜泣きへの「やってはいけない」NG行動
NG 1:鳴くたびにすぐ応答する
「鳴けば来てくれる」と学習させてしまいます。少し待ってから、鳴き止んだタイミングで声をかけるか対応するようにしましょう。
NG 2:大きな声で怒鳴る・叱る
猫は叱られても「夜泣きをやめなければ」とは学習しません。むしろ飼い主の感情的な反応が刺激となり、夜泣きが増すことがあります。
NG 3:消灯した暗い部屋に一人で閉じ込める
特に高齢猫や子猫は、暗さ・孤独感から夜泣きが悪化します。薄明かりを残す・ケージを寝室に置くなどの工夫を先に試してください。
NG 4:原因を特定しないまま鎮静剤を使う
「鳴き止むなら薬を」と考える方もいますが、原因疾患を見落とすリスクがあります。薬に頼る前に獣医師と相談し、原因を特定することが先決です。
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よくある質問
Q. 猫の夜泣きはいつまで続きますか?
原因によって異なります。お迎え直後の子猫は3〜7日、発情期の場合は2〜3週間が目安です。ただし病気や認知症が原因の場合は治療なしには改善しません。2週間以上続く場合や急に始まった場合は、動物病院への相談をおすすめします。
Q. 去勢・避妊手術で夜泣きは止まりますか?
発情期が原因の夜鳴きは、手術後ほぼなくなります。手術は通常生後6ヶ月前後が推奨されます。ただし手術後も習慣化した鳴き癖が残る場合は数週間かけて落ち着いていきます。
Q. 夜泣きするので一緒に寝てもいいですか?
一緒に寝ることで安心して夜泣きが減る子もいます。ただし「鳴けば一緒に寝られる」と学習させないよう、鳴き止んでから布団に迎え入れる順序を守ってください。
Q. 猫の夜泣きに効く市販品はありますか?
フェロモン剤(フェリウェイ・コンフォートゾーン等)はストレス由来の夜泣きに有効なことがあります。サプリメント(L-テアニン配合等)も選択肢の一つです。ただし病的な原因が隠れている場合は効果が出ません。まず原因を特定することが重要です。
Q. 夜泣きをしている猫に声をかけてもいいですか?
「おちつけ」と低い穏やかな声で一声かけるのは問題ありません。ただし鳴くたびに長時間構うのは逆効果です。状況(特に高齢猫)によっては「声かけで安心する」ことが確認できれば、積極的に声をかけてあげてください。
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まとめ:年齢別に原因を特定して、無理なく対処する
猫の夜泣きは「どの年齢か」「いつから始まったか」「他に症状があるか」の3点を整理するだけで、原因の見当がつきやすくなります。
- 子猫: 環境変化の寂しさが主因 → 匂い・体温・フェロモン剤で安心感を補う
- 成猫: 発情・ストレス・病気の順で確認 → 避妊去勢手術が最も根本的な解決策
- 高齢猫: 認知症・内分泌疾患・感覚低下 → 必ず動物病院で検査を
「ただうるさい」で済まさず、愛猫からのサインとして受け取ってあげてください。Flowens Cat では、お迎え後の夜泣きに関するご相談も承っています。お迎えの流れやよくある疑問はよくある質問もご覧ください。
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*参考:猫の認知機能障害(CDS)については American Association of Feline Practitioners(AAFP)の Senior Care Guidelines(2021年改訂版)を参照しています。甲状腺機能亢進症は10歳以上の猫で最も多い内分泌疾患の一つとされています(AVMA, 2020)。*


