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この記事の要点:兄弟の子猫2匹は、血縁のない2匹より仲がよいと答える家が多い傾向です。最初のにらみ合いはふつうで、費用は用品以外ほぼ倍。オスとメスの兄妹は手術の時期も決めておきます。迎える前に、見学で2匹を実際に見て決めます。「兄弟なら引き離すのはかわいそう」「でも2匹は大変そう」と迷う方は多いです。この記事は、まだ猫を迎えていない飼い主さんが、2匹で迎えるかどうかを決めるために、決めておくことを順番に並べました。保護猫のペア譲渡ではなく、ブリーダーから子猫を迎える場合の話です。
先に答えを言うと、兄弟で迎えるのは悪くない選び方です。ただし「兄弟だから安心」と言い切れる話でもありません。何が分かっていて、何が分からないかを、調査の数字と費用の計算で書きます。
兄弟の2匹は、本当に仲がよいの?

血縁のない2匹より、兄弟(同じ親から生まれた2匹)のほうが「関係がよい」と答える家が多い、というのが調査の結果です。
アメリカとカナダで猫を2匹飼っている6,529人に聞いた調査では、次のような2匹の家で「2匹の関係は悪い」と答える人が多くなりました。
- 2匹に血のつながりがない
- 2匹ともメスで避妊済み
- 2匹とも成猫になってから出会った
- 2匹の年の差が大きい
- どちらかが外に出られる
つまり、血縁のある2匹が、同じ年ごろに一緒に迎えられる形は、うまくいきやすい側にあります。
ここで読み違えないでほしい点が2つあります。ひとつは、これは「飼い主さんが2匹の関係をどう見ているか」の調査で、猫の気持ちを測ったものではないことです。もうひとつは、数字の差は「兄弟だから仲がよい」と原因を決めたものではないことです。血縁のない2匹は成猫になってから迎えられることが多く、年の差もつきやすいので、いくつかの条件が重なって出た差の可能性があります。
兄弟は親が同じなので、生まれたときから同じ部屋で同じにおいの中で育っています。仲がよくなりやすい理由として自然な話ですが、調査はそこまでは確かめていません。
兄弟でも、出会いの最初はにらみ合いがふつう

猫を2〜4匹飼うアメリカの2,492人のうち73.3%が、2匹を引き合わせた最初から、にらみ合いなどの衝突の兆しがあったと答えています。
この73.3%は、兄弟だけの数字ではありません。ですから「兄弟でも73.3%」とは言えません。言えるのは、猫どうしの出会いの最初に、にらみ合いや距離を取る行動が出るのは、よくあることだという点です。
同じ調査には、明るい話もあります。体を寄せ合うなどの仲よしの行動は、衝突の兆しよりも頻繁に見られ、体の接触は約半数の家で毎日ありました。にらみ合いが毎日見られた家は44.9%でした。1匹の猫の毛づくろいを、もう1匹が始めるような場面も、同じ家で同時に起きているということです。
迎えた最初の数日に、2匹が少しにらみ合っても、それだけで「相性が悪い」と決めないほうがいい、と私は考えます。迎えた直後は、見知らぬ家に来たばかりで、2匹とも緊張しているからです。目安は、ごはんやトイレをどちらも避けない、本気のけんか(鳴き声が激しい、毛が抜けるほど)になっていない、の2つです。先住猫がいる家への導入の手順や、相性の悪いサインは、猫の多頭飼いで相性が良い組み合わせに書いています。
オス、メス、オスとメスの兄妹。組み合わせで何が変わる?

「姉妹(メス2匹)がいちばん安心」とは言い切れません。見方によって、結果が分かれているからです。
動物行動学が専門の獣医師の見解として、血のつながったメスどうしは問題が少ない、血縁のないオスどうしは将来ぶつかることがある、という話があります。一方、さきほどの6,529人の回答では、2匹ともメスで避妊済みの家のほうが、「関係が悪い」と答える人が多くなりました。
食い違って見えますが、聞いている相手が違います。獣医師の見解は、診察室での経験にもとづく見方です。調査は、飼い主さんが答えた大勢の回答を比べたものです。さらに、調査の2匹は兄弟とは限りません。メス2匹に血縁がなければ、そちらの影響が出ている可能性があります。
ですから、ここでは次のように考えます。
| 組み合わせ | 分かっていること | 決めつけない点 |
|---|---|---|
| オスとオスの兄弟 | 血縁のないオスどうしは、将来ぶつかるという見解がある。兄弟については、見解は何も言っていない | 「オスの兄弟は危険」とは言えない |
| メスとメスの姉妹 | 血縁のあるメスどうしは問題が少ないという見解がある。避妊済みのメス2匹は、調査では関係が悪いという回答が多め | 「姉妹がいちばん」とは言えない |
| オスとメスの兄妹 | 手術の時期を決めておく必要がある(次の節) | 相性そのものは、組み合わせより1匹ずつの性格の影響が大きい |
オスとメスの兄妹なら、手術の時期を先に決める

オスとメスの兄妹は、きょうだいでも発情すれば交尾して、妊娠することがあります。ですから、お迎えする前に手術の時期を決めておきます。
「兄妹だから大丈夫」という思い込みは、いちばん避けたい落とし穴です。猫は兄妹でも、成長すれば繁殖できる体になります。発情の時期は、メスが生後6〜10ヶ月ごろ、オスが生後7〜12ヶ月ごろに始まるのが目安で、手術は初回の発情の前の生後5〜6ヶ月ごろが勧められることが多いです。月齢ごとの詳しい目安は、猫の発情期の記事にまとめました。
オスとオス、メスとメスでも、手術をしない場合は発情の時期ににおいやけんかが増えます。2匹とも手術をする前提で費用と時期を決めておくと、あとで困りません。かかりつけの病院は、お迎えのあと早めに決めておくのがおすすめです。
2匹分の費用は、何が倍で、何が倍にならない?

費用の中心は、病院、保険、ごはん、手術で、ここはほぼ倍になります。倍までいかないのは用品です。
猫を1匹飼う費用は、猫を飼う費用の記事のとおり、年間195,427円、初期の用品は平均約2.3万円、避妊去勢手術は平均約1.9万円です。これを2匹分に計算し直すと、次のようになります。
| 項目 | 1匹 | 2匹(計算) | 倍になるか |
|---|---|---|---|
| 子猫代 | 掲載価格 | 2匹分 | 倍 |
| 用品 | 平均約2.3万円 | 約2.3万〜4.6万円 | 倍にならない部分がある。ケージやキャリーを1つにするか、2つにするかで変わる |
| 避妊去勢手術 | 平均約1.9万円 | 約3.8万円 | 倍 |
| 年間の費用(保険料込み) | 195,427円 | 約39.1万円(195,427円×2=390,854円) | 倍。光熱費の追加分などは共有できる分があり、実際は少し下回る可能性 |
| 生涯(平均寿命14.5歳で計算) | 約242万〜283万円 | 約484万〜567万円 | 倍。子猫代と初期費用は含まない |
もうひとつ、費用の山は「2匹が同じ年ごろ」になりやすいことです。兄弟は同じ日に生まれているので、高齢期の通院が重なる時期も近くなります。10歳を過ぎると病院代が増えやすいのは、1匹でも同じです。それが2匹分、同じ時期に来ると考えて、貯金の目安を決めておきます。
当社の子猫の価格に含まれるものは、1頭ごとの価格に含まれる9項目(親猫の遺伝子検査、1回目のワクチン、マイクロチップ、健康診断、駆虫、60日の生体保障、ごはん10日分、缶詰、飼育説明書)です。2頭迎えるなら2頭分です。2回目のワクチンまで済んでいる子だけは、別に3,000円がかかります。
子猫2匹は同じ日に迎える?時期をずらす?

同じ日に2匹迎える形は、遊び相手が最初からいる安心感があります。時期をずらす形は、1匹ずつ落ち着いて慣らせます。
| 同じ日に2匹 | 時期をずらす | |
|---|---|---|
| よい点 | 2匹とも同じ立場で新しい家に来る。留守番のとき、片方が一人にならない | 1匹ずつお世話に慣れられる。最初の体調の確認が1匹分で済む |
| 大変な点 | お迎え直後の体調確認と慣らしが、2匹分になる。どちらかが体調を崩すと、もう1匹にも気を付けることになる | 先に迎えた子が「先住猫」になるので、2匹目の導入に手順がいる。兄弟でも、離れていた時間が長いほど他人に近づく |
| 向いている人 | 在宅時間が少ない。お世話の手を2匹分かけられる | 初めて猫を飼う。まず1匹の暮らしに慣れたい |
賃貸で2匹まで飼えるかどうかは、契約書で確かめるのが先です。猫が飼える賃貸の探し方で書いています。
当社で兄弟を考えるとき
当社では、HPの見学の予約で「見たい子」を3匹まで選べます。兄弟で迎えたいときは、2匹とも選んで、実際に2匹の様子を見てから決めてください。
写真で見る兄弟と、実際に会った兄弟は、印象が変わることがあります。2匹の距離のとり方や、遊び方の違いは、会ってみて分かることのひとつです。オンラインの見学もできます。体調が良好なら、見学当日のお迎えもできます。お迎えのあとは、LINEでブリーダーにいつでも相談できます。
なお、当社で検査しているのは繁殖に使う親猫の遺伝子検査で、子猫個体の検査ではありません。兄弟は親猫が同じなので、同じ前提を引き継いでいます。親猫の検査と健康管理の考え方は健康管理に載せています。
品種が決まっているなら、その品種のページ(例:ラグドール)から、いま会える子を見られます。品種がまだ決まっていないときは、子猫の選び方を読んでから、子猫一覧をご覧ください。
よくある質問
兄弟の子猫を引き離すのはかわいそうですか?
血縁のない2匹より、兄弟のほうが関係がよいと答える家が多い傾向はあります。ただ、1匹で迎えて幸せに暮らす猫もたくさんいます。「かわいそう」より、お世話の手とお金を2匹分かけられるかで決めてください。
子猫を2匹同時に迎えると、大変ですか?
最初の1〜2週間は、体調の確認、トイレ、ごはんの管理が2匹分になります。その代わり、2匹で遊べるので、夜の運動や留守番のさびしさは軽くなります。手のかかる時期が短くて済むのが、同時に迎えるよさです。
兄弟でも、最初にけんかをしますか?
にらみ合いや距離を取る行動は、よくあります。猫2〜4匹の家では、73.3%が最初から衝突の兆しがあったと答えています。兄弟だけの数字ではありませんが、目安にはなります。ごはんやトイレを避けない、本気のけんかになっていなければ、様子を見て大丈夫です。
オスとメスの兄妹でも、避妊去勢は必要ですか?
必要です。兄妹でも、発情すれば交尾して、妊娠することがあります。メスの発情は生後6〜10ヶ月ごろから始まるので、生後5〜6ヶ月ごろに動物病院へ相談を始めるのが目安です。くわしくは猫の発情期の記事をご覧ください。
2匹を飼うと、費用は何倍になりますか?
病院、保険、ごはん、手術は、ほぼ倍です。計算では、年間約39.1万円、生涯約484万〜567万円になります。用品は、ケージなどを共有できる分、倍までいかないことがあります。子猫代と初期費用は別です。
当社で兄弟を2匹迎えるには、どうすればいいですか?
HPの見学の予約で、見たい子を3匹まで選べます。2匹とも選んで、実際に会ってから決めてください。気になることは、LINEでブリーダーにご相談いただけます。
まとめ
兄弟の子猫を2匹で迎えるのは、血縁のない2匹より仲がよい家が多い傾向があり、おすすめしやすい形です。ただし、最初のにらみ合いはふつうで、費用は用品を除いてほぼ倍、オスとメスなら手術の時期を先に決めておく必要があります。
迎えたい品種が決まっているなら、品種一覧から。まだなら、子猫一覧で、いま会える子を見てみてください。見学の予約では、2匹とも選べます。
出典
- Khoddami S, Kiser MC, Moody CM「Why can't we be friends? Exploring factors associated with cat owners' perceptions of the cat-cat relationship in two-cat households」Frontiers in Veterinary Science 10:1128757(2023年): https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37051515/ (猫を2匹飼う6,529人の調査。血縁なし、メス2匹の避妊済みなどが「関係が悪い」という回答と関連)
- Elzerman AL, DePorter TL, Beck A, Collin JF「Conflict and affiliative behavior frequency between cats in multi-cat households: a survey-based study」Journal of Feline Medicine and Surgery 22(8):705-717(2020年): https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31623526/ (猫を2〜4匹飼う2,492人の調査。最初から衝突の兆しがあった割合73.3%)
- 「子猫のうちから一緒に飼うほうがいい?」動物行動学が専門の獣医師への取材記事(serai、2018年11月): https://serai.jp/living/342086
- アニコム損害保険「2025最新版 ペットにかける年間支出調査」(2026年3月11日): https://www.anicom-sompo.co.jp/news-release/2025/20260311/ (猫の年間支出195,427円)
- R&C「R&Cマガジン」猫の飼い主3,000人の調査(BCN+R、2023年2月20日): https://www.bcnretail.com/market/detail/20230220_317019.html (用品、避妊去勢手術の平均)
- 費用の2匹分の数字は、上の1匹分の数字を2倍にした計算です。
※ 記事内の画像はイメージです。実際にお迎えいただける子猫の写真は子猫一覧でご覧いただけます。








