
いまアメリカンショートヘアの子猫2頭が家族募集中
¥90,000〜¥90,000(税込)| 写真と親猫の検査記録つき
募集中のアメリカンショートヘア2頭を見る ›目次ひらく(全10章)
この記事の要点:キジトラは毛色、アメショは品種の名前で、物差しが違います。柄・顔・体のどれも、それだけでは品種を決められません。確かめられるのは血統書と親猫の情報です。キジトラとアメショ(アメリカンショートヘア)の違いを調べると、多くの解説が「アメショは渦巻き、キジトラは縦縞」「アメショは丸顔で鼻が短い」と書いています。ところが、私たちが読み比べた解説19ページには、品種の標準や論文へのリンクが1つもありませんでした(2026年10月3日時点)。
Flowens Catは、アメショを含む9品種を扱っています。そこで、アメリカの猫の血統登録団体と国際団体が出しているアメショの「標準」(その品種の理想の姿を文章にしたもの)を読み、柄・顔・体・色のどこまでが手がかりになるのかを確かめました。雑種のキジトラを下げるつもりはありません。
キジトラとアメショは何が違う?毛色と品種で物差しが違う

キジトラは毛色(柄)の呼び名、アメショは品種の名前で、同じ土俵に並べて比べるものではありません。「アメショか、キジトラか」と迷うとき、実は別々の質問が混ざっています。
| アメショ | キジトラ | |
|---|---|---|
| 何の名前か | 品種 | 毛色(柄)の呼び名 |
| 基準 | 品種団体が定めた標準。体つき・顔・被毛・色までを文章にした「理想の姿」 | たとえば日本動物愛護協会の分類は、茶系の黒シマ・茶シマ・ヒョウ柄を同じ区分に入れている(手術の助成の申請に使う、協会独自の分類) |
| 確かめる書類 | 血統書 | 柄の呼び名なので、書類で確かめるものではない |
柄で見分けられる?標準の原文で「見る場所」を確かめる

柄の「型」(渦巻き型か縦縞型か)は見分けられますが、型が分かっても品種は分かりません。アメショの標準(2024年改訂)が、2つの型をどちらも認めているからです。
アメショのタビー(縞模様)の色は、クラシック・マッカレル・ティックドのどの柄でもよい(標準の記述)クラシックは脇腹に大きな渦ができる型、マッカレルは細い縦縞が体を回る型です(ティックドは、体に目立つ縞がなく、頭・首・脚・尾にだけ縞が出る型)。日本のキジトラの縞は、マッカレルにあたると説明する解説が多く見られます。標準が部位ごとに書いている中身は、次のとおりです。
| 見る場所 | クラシック(標準の記述) | マッカレル(標準の記述) | 品種の決め手になるか |
|---|---|---|---|
| 脇腹 | 大きな塗りつぶしの模様を、途切れない輪が1本以上で囲む | 細い鉛筆線が体をぐるりと回る | 型は分かる。ただしクラシックなら雑種にも出る |
| 肩 | 蝶の形。上下の羽の輪郭がはっきりして、中に点がある | 頭から肩へ線が下りる | 同上 |
| 背中 | 背骨の線と、その両側に1本ずつ。3本の間は地色 | 背骨の線が合わさって、細い鞍の形になる | 同上 |
| 額 | 入り組んだ「M」の字 | 「M」の字 | 決め手にならない(両方に書いてある) |
| 脚・尾 | 脚に腕輪、尾に均等な輪 | 脚に細い腕輪、尾に縞 | 決め手にならない(両方に書いてある) |
| 首 | 途切れない首輪が複数 | 鎖のようにはっきりした首輪 | 決め手にならない(両方に書いてある) |
お腹の模様で見分ける解説もありますが、標準が胸と腹の模様に触れているのはクラシックだけで、比べる材料がありません。標準はキャットショー(猫の見た目を競う大会)での理想の型で、日本の雑種の柄が言葉どおりとは限りません。
「アメショは渦巻き」はどこから来た説明?

標準は、渦巻き型も縦縞型も同じ扱いで認めています。「アメショは渦巻き」という説明は、標準ではなく、ショーでの人気から来たものだと私たちは考えています。「アメリカンショートヘアはマーブル模様が入っています」のように、渦巻きをアメショの条件として書く解説が複数ありましたが、団体の資料に書かれているのは次のことです。
- アメリカの団体の標準は、縦縞型を色の一覧で別の枠にしている:シルバーなら「シルバータビー(0736)」と「シルバーマッカレルタビー(0736M)」、ブラウンなら「ブラウンタビー(0744)」と「ブラウンマッカレルタビー(0744M)」が並びます
- 国際団体は、クラシックが「ショーでいちばん人気」だったと書く:縞のアメショと、白の入った縞のアメショは、たいていクラシックの柄で、ショーでいちばん人気だった、という書き方です。同じページで、標準はアメショのさまざまな見た目を認めている、とも書いています
- アメリカの団体の品種紹介も「人気」と書くにとどまる:「シルバーとブラウンのクラシックタビーはとても人気だが、100を超える色の組み合わせがある」
その品種紹介のページにある入賞猫の一覧(13年度分、重複を除いて約200件)も、私たちが数えました。色柄の名前に「クラシックタビー」とはっきり書かれた猫が59件、「マッカレルタビー」が4件(すべて同じ猫舎の猫)です。各年度の上位入賞だけを集めた一覧なので、飼い猫全体の割合ではありません。
ショーの上位ではクラシックが目立つ一方、標準は縦縞型を認めています。「縦縞だからアメショではない」とも、「渦巻きだからアメショ」とも言えません。
渦巻き柄はアメショだけ?クラシック柄の遺伝のしくみ

渦巻き(クラシック)の柄は、アメショ専用ではありません。クラシックの型を両親から受け継いだ猫なら、品種に関係なく出うる柄です。
縞の型には、表に出やすい順があります。2010年の研究(Eizirikら)は、表に出やすい順にティックド、スポッテッド(斑点)、マッカレル、ブロッチドと、これまで整理されてきたと書いています。ブロッチドは、クラシック(マーブル)の別の呼び名です。つまりクラシックは表に出にくい型で、出るのは、両親からクラシックの型を1つずつ受け取ったときです。ただし、実際はもっと複雑です。同じ研究は、模様には遺伝子の置き場所が少なくとも3つ関わると報告しています。同じ母猫から一度に生まれた子猫に、3つの型が出た例もあります。
では、品種の外の猫は、クラシックの遺伝子をどれくらい持っているのでしょうか。参考になるのはポーランドの調査です。1987年の研究(Wagnerら)は、1982年10月〜1985年6月に、都市と農村の23の猫の集団を調べました。クラシックの型の遺伝子が集団の中に占める割合は、集団によって0.132〜0.451でした。猫どうしが自由に子どもを作る集団だと考えて計算すると、クラシック柄の猫は約1.7%〜20%にあたります(私たちの計算です)。日本の割合ではありませんが、品種の外の猫に、この遺伝子が広くあることは分かります。日本でも、最初の表で紹介した協会の毛色一覧は、サバトラの区分に「アメショー風」(灰色の猫に黒い渦)を入れています。ただ「風」と付けているとおり、品種の判定ではなく見た目の呼び名です。
ここから言えることは、次の3つです。
- 渦巻きだからアメショ、とは言えない:クラシックの型を両親から受け継いだ猫なら、品種に関係なく出る
- 縦縞だからアメショではない、とも言えない:標準は縦縞型も認めている
- 柄から血筋は分からない:アメショと縞の猫の間の子は、縦縞が出やすいはずです(表に出やすい順のとおりなら、という私たちの推論で、実際は幅があります)。渦巻き柄の猫にアメショの血が入っているかどうかも、柄からは言えません
顔・体つき・色の違いは?標準の言葉で確かめる

顔や体つきだけでは、品種は言い切れません。標準の言葉も、団体によって表現が違います。
顔・体|品種の基準に書かれていること
| 部位 | アメリカの団体の標準(2024年改訂) | 国際団体の標準(2004年改訂) | 解説でよく見る断定 |
|---|---|---|---|
| 頭・顔 | 大きく、頬がふくらむ。幅よりわずかに縦長の長方形に近い印象 | 幅が広く、中くらいの大きさで、丸みのある頭 | 「丸顔」 |
| 鼻 | 中くらいの長さで、幅は全長で同じ | 中〜短め | 「鼻が短い」 |
| 体 | がっしりして力強く、筋肉質。背中は広く、まっすぐで水平 | 長さは中くらい。細身よりも長方形に近く、丸みもある | 「がっしり」 |
アメショは3〜4歳ごろまで、本当には大人の体になりきりません。品種の特徴がいちばんよく出るのは、そのころです。子猫の顔で品種を判断するのは、難しいということです。
色|ブラウン・シルバー・レッドの定義
この表は、アメリカの団体の標準をもとにまとめました。
| 色 | 地色と模様 | 鼻・肉球 | 目の色 |
|---|---|---|---|
| ブラウンタビー | 鮮やかな銅色がかった茶に、濃い黒の模様 | 鼻はレンガ色、肉球は黒か茶 | 金かヘーゼル(金が好ましい) |
| シルバータビー | 淡く澄んだ銀に、濃い黒の模様。下毛は白 | 鼻はレンガ色、肉球は黒 | 緑〜ヘーゼル(緑が好ましい) |
| レッドタビー | 赤に、濃い赤の模様 | 鼻も肉球もレンガ色 | 金 |
「アメショの毛色は70種類以上」と書く解説も多いのですが、アメリカの団体の品種紹介では「100を超える色の組み合わせ」です。
なぜこんなに似ている?1965年まで「家猫の短毛」だった

アメショは、もとの家猫と同じところから始まった品種なので、似ているのは不思議ではありません。違いは、型をそろえるために、猫を選んで交配し、登録を重ねたことです。
短毛の猫は、ネズミ対策として船に乗せられ、最初のころの移住者とともに北アメリカへ渡りました。アメショは、1895年にアメリカで最初に開かれたキャットショーに50匹以上出ていて、1906年にアメリカの団体ができたときに認められた、最初の5品種の1つです。はじめは「ドメスティックショートヘア(家猫の短毛)」の名前でショーに出ていて、今の名前になったのは1965年です。国際団体は、アメショを自然に生まれた品種に数えています。よく紹介される「メイフラワー号に乗っていた」という話は、船の記録には載っていません。言い伝えであって、記録ではありません。
交配相手の決まりは、書類の上での大きな違いです。2つの団体はどちらも、アメショの交配相手にほかの品種を認めていません。そのため、アメショと雑種の間に生まれた子は、書類の上ではアメショにならないと読めます(団体ごとの登録の扱いは猫の血統書の読み方をご覧ください)。
では、どう確かめる?書類・親猫・来歴の順に見る
品種を確かめられるのは、血統書(発行団体と品種名)と、親猫や生まれた経緯の情報です。柄・顔・体つきの見た目は、補助にとどまります。
アメショとして迎える前に
- 血統書の発行団体と品種名を見る:品種の根拠になるのは、柄の見た目ではなく、登録の手続きを経て出る書類です
- 親猫の情報を聞く:親猫の血統書や検査の結果を、どこまで出してもらえるかを確かめます
- 血統書がいつ届くかを確かめる:お迎えのあとに郵送される場合は、届く時期の目安を聞いておきます
すでに迎えている猫(拾った・譲り受けた)の場合は、譲ってくれた人や団体が、親猫や生まれた経緯を知っているかを聞きます。動物病院では年齢の見立てや健康を診てもらえますが、品種の断定は目的ではありません。DNA検査で品種の構成を調べる民間のサービスもありますが、その精度はこの記事では扱いません。見た目だけで品種を当てることはできません(猫の雑種でも同じ結論でした)。
Flowens Catの子猫詳細ページでは、血統書について「ZCC発行|お迎え後3か月以内に郵送」と表示しています(ミックスの子は「発行なし」)。血統書とは別に、お迎え時に「遺伝子疾患リスクの証明書」(当社発行)を紙でお渡ししています。書類ごとに、確かめられることが違います。
| 書類 | 確かめられること | 品種の根拠になるか |
|---|---|---|
| 血統書(ZCC発行) | 品種と両親の記録 | なる |
| 遺伝子疾患リスクの証明書(当社発行) | 繁殖に使う親猫の遺伝子検査の結果にもとづく、遺伝性の病気の発症リスク(子猫個体は検査していません) | ならない |
| 健康診断書(提携の獣医師の署名入り) | 診察した日の健康状態(視診・触診・聴診。体重・体温も記録) | ならない |
よくある質問
Q. キジトラとアメショの違いは何ですか?
キジトラは毛色の呼び名、アメショは品種の名前で、物差しが違います。柄の型(渦巻き型のクラシックと縦縞型のマッカレル)は見分けられますが、アメショの標準はどちらの型も認めているため、柄だけでは品種を決められません。確かめられるのは、血統書と親猫の情報です。
Q. アメショは雑種ですか?
雑種ではなく、品種団体が標準を定めた品種です。ただし成り立ちは、開拓時代にアメリカへ渡った短毛の家猫で、1965年まで「ドメスティックショートヘア(家猫の短毛)」の名前でショーに出ていました。自然に生まれた品種に数えられ、よい形の猫を選んで交配を重ねることで、型をそろえてきました。
Q. アメリカンワイヤーヘアとキジトラの違いは何ですか?
ワイヤーヘアは品種で、キジトラは毛色の呼び名です。1966年に、アメリカのニューヨーク州北部の納屋の猫から生まれた子猫に現れた突然変異(生まれつきの変化)が始まりで、毛が針金のように硬く縮れています。アメショとは、毛のタイプだけが違います。
Q. キジトラとサバトラ・茶トラの違いは何ですか?
地色の違いが中心です。動物愛護の団体の分類では、キジトラは「茶系・黒シマ」、サバトラは「グレー系・黒シマ」、茶トラは「赤茶シマ」と、地色と縞の色で区分されています。それぞれの性格や遺伝は、キジトラの性格・サバトラの性格・茶トラの性格で整理しています。縞の柄の全体はトラ猫の種類をご覧ください。
まとめ
キジトラとアメショは、毛色と品種という別の物差しです。アメショの標準は、渦巻き型も縦縞型も認めていて、額のM字・脚の腕輪・尾の輪・首輪も両方の型に書いてあります。渦巻き柄は、両親から受け継げば雑種にも出ます。顔や体つきは、標準の言葉が団体で違い、それだけで品種は決められません。迷ったときは、血統書(発行団体と品種名)、親猫の情報、迎えた経緯を確かめてください。
出典
以下は2026年10月3日に、記載のURLを開いて内容を確認したものです。
- Cat Fanciers' Association(CFA)「American Shorthair Show Standard(revised 2024)」(柄・頭・体・被毛・色・色クラス番号表) https://cfa.org/wp-content/uploads/2024/02/american-shorthair-standard.pdf
- CFA「American Shorthair」(品種の歴史・100を超える色の組み合わせ・入賞猫の一覧・交配相手「none」) https://cfa.org/breed/american-shorthair/ ※入賞猫の件数は、このページの一覧を当方で数えたもの。交配相手の記述は「標準の公式な一部ではない参考情報」の欄にある
- CFA「American Wirehair」(1966年にニューヨーク州北部の納屋の猫の子猫に現れた変異) https://cfa.org/breed/american-wirehair/
- The International Cat Association(TICA)「American Shorthair」(ショーで人気のタビー・成熟は3〜4歳・natural breed・船の記録) https://tica.org/breed/american-shorthair/
- TICA「American Shorthair Breed Group Standard(AS/AW)」(2004年5月1日改訂。頭・体・被毛・減点・交配相手「None」・ワイヤーヘアとは被毛の型だけが違う) https://tica.org/wp-content/uploads/2024/02/as.pdf
- Roberts HR「Basic color/pattern genetics」(2007年11月3日・TICA掲載の講義スライド) https://tica.org/wp-content/uploads/2021/09/basic_color_genetics_seminar.pdf ※古い資料で、「従来の考え方」と断った記述を含む
- Eizirik E, et al. "Defining and mapping mammalian coat pattern genes: multiple genomic regions implicated in domestic cat stripes and spots." Genetics. 2010;184(1):267-275. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19858284/ ※要旨のみ確認
- Wagner A, Wolsan M. "Pelage mutant allele frequencies in domestic cat populations of Poland." J Hered. 1987;78(3):197-200. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/3611716/ ※要旨のみ確認。クラシック柄の割合は、要旨の頻度から当方が計算した値
- 日本動物愛護協会(JSPCA)地域猫相談室「Q8-3 毛色一覧」(不妊去勢手術助成事業の申請用の独自の分類) https://jspca.or.jp/localcat_coat_color_list.html ※「アメショー風」の区分は、同ページの毛色一覧表(PDF)の絵で確認 https://jspca.or.jp/images/keiro.pdf
- Cat Press「熾烈な順位争いが勃発!猫の種類・柄・名前ランキングが発表(猫の国勢調査2019)」(アイリスペットどっとコムの調査の紹介。会員の猫1,702匹) https://cat-press.com/survey/cat-census-2019 ※元の調査は開けなかったため、この紹介記事で確認した
※ 記事内の画像はイメージです。実際にお迎えいただける子猫の写真は子猫一覧でご覧いただけます。






