> ブリティッシュショートヘアとエキゾチックショートヘアは、どちらも丸い顔・ずんぐりとした体型・落ち着いた性格の人気品種です。最大の違いは原産地(イギリスvsアメリカ)と毛の長さ(短毛vsやや短め)、そして鼻の潰れ具合(エキゾチックの方がより扁平)です。エキゾチックは「短毛のペルシャ」と呼ばれるほどペルシャの影響が強く、呼吸器系への配慮が必要です。
「丸い顔でどっしりした猫が好き」「穏やかでのんびりした猫を探している」という方が比較候補にあげることが多いのが、ブリティッシュショートヘアとエキゾチックショートヘアです。
写真だけ見ると「似ていてどちらがどちらか分からない」という方も少なくありません。しかし、ブリーダーとして両品種と日々向き合っていると、それぞれの個性・体の特徴・飼い方の違いが見えてきます。
この記事では、見た目が似ている2品種を正直に比較し、どちらが自分のライフスタイルに合っているかを判断できるようお伝えします。
ブリティッシュショートヘアとエキゾチックショートヘアの基本情報
ブリティッシュショートヘアとは?
ブリティッシュショートヘアは、イギリス最古の猫品種の一つで、古代ローマ人がブリテン島に持ち込んだ猫が起源とされています。その後、イギリス各地に自然繁殖した猫の中から計画的な選抜交配によって確立された品種です。
「英国紳士・淑女」という表現がよく使われるほど、落ち着きと品位を兼ね備えた性格が特徴です。成猫になるまでに3〜5年かかるゆっくりとした成長も特徴の一つで、どっしりとした体格と密な短毛の組み合わせが「テディベア猫」と呼ばれる所以です。
エキゾチックショートヘアとは?
エキゾチックショートヘアは1960年代にアメリカで誕生した比較的新しい品種です。ペルシャの温厚な性格と扱いやすい短毛を両立させることを目的に、ペルシャにアメリカンショートヘアを交配して作出されました。
「短毛のペルシャ(Lazy Man's Persian)」とも呼ばれるほどペルシャとの関係が深く、顔の扁平さ(短頭症)はブリティッシュより強く出る傾向があります。被毛はペルシャよりは短く、ブリティッシュより若干長め・密度が高い点が特徴です。
ブリティッシュショートヘアとエキゾチックショートヘアの違いを一覧で比較
| 比較項目 | ブリティッシュショートヘア | エキゾチックショートヘア |
|---|---|---|
| 原産地 | イギリス | アメリカ(1960年代) |
| 起源 | 自然発生→選抜交配 | ペルシャ × アメリカンショートヘア |
| 顔の形 | 丸く大きい(扁平は中程度) | 非常に丸く扁平(鼻が低い) |
| 被毛の長さ | 短毛(ショートコート) | 短〜中程度(やや密度が高い) |
| 被毛の質感 | 密でぱっちりした質感 | ペルシャに近いふんわり感 |
| 体型 | ずんぐり・筋肉質 | ずんぐり・重厚感あり |
| 体重(成猫) | オス5〜9kg / メス4〜6kg | オス4〜7kg / メス3〜6kg |
| 性格 | 落ち着き・独立心あり・穏やか | ペルシャ似の温厚・甘えん坊 |
| 抱っこの好み | 控えめ(傍にいるのを好む) | 比較的好き |
| ブラッシング頻度 | 週1〜2回 | 週2〜3回 |
| 呼吸器リスク | 軽度 | やや高い(扁平顔のため) |
| 平均的な価格 | 20〜40万円 | 20〜45万円 |
| 平均寿命 | 14〜20年 | 12〜15年 |
見た目の違いはどこ?どうやって見分ける?
パッと見ると似ていますが、慣れてくると見分けるポイントがあります。
顔の扁平さ(鼻の潰れ具合)
最も分かりやすい違いが鼻の低さです。エキゾチックショートヘアの方が、より鼻が低く顔が扁平です。横から見るとブリティッシュは鼻がある程度前に出ているのに対し、エキゾチックはほぼフラットな輪郭になります。
これはエキゾチックがペルシャから受け継いだ「短頭種(brachycephalic)」の特徴で、ペルシャ自体はさらに極端に扁平な顔をしています。
被毛の質感
ブリティッシュの被毛は密でぱっちりとしたダブルコートで、触るとぬいぐるみのような感触です。エキゾチックの被毛は密度が高くふんわりとした独特の質感で、ペルシャの長毛を短くしたようなイメージです。
体のサイズ
ブリティッシュショートヘアの方が体格がやや大きく、成猫オスで5〜9kgに達する子もいます。エキゾチックはやや小柄でオスで4〜7kg程度が一般的です。
性格の違いは?どちらが飼いやすい?
ブリティッシュショートヘアの性格 — 英国紳士の落ち着き
ブリティッシュショートヘアは、独立心と落ち着きを持ち合わせた「英国紳士・淑女」的な性格です。過度な甘えん坊ではなく、「傍にいてほしいけれど、抱っこは少し苦手」という子が多いです。
飼い主さんのことを深く信頼しているのは確かですが、自分のペースで関係を築きたいタイプです。無理に抱き上げると嫌がる子もいますが、ソファで横に座ってのんびり過ごすことは大好きです。
鳴き声は比較的静かで、無駄鳴きが少なく集合住宅向きの性格でもあります。一人の時間も問題なく過ごせるため、日中仕事で不在になりがちな方にも向いています。
エキゾチックショートヘアの性格 — 温厚で甘えん坊なペルシャの性質
エキゾチックショートヘアはペルシャの性格を色濃く受け継いでいます。温厚でのんびりとしており、飼い主さんへの甘え方がやや積極的です。ブリティッシュと比べると抱っこやなでられることを好む傾向があります。
活動量は控えめで、一日の多くを寝て過ごす子が多いです。遊びよりも静かに過ごすことを好む傾向があり、穏やかな生活リズムの方との相性が良いです。
飼いやすさの比較
両品種とも初心者に向いていますが、微妙に向き先が異なります。
- 「猫らしいマイペースな猫が好き」「抱っこ以外の方法で絆を深めたい」 → ブリティッシュショートヘア
- 「もう少し甘えてくれる子が好き」「のんびり一緒に過ごしたい」 → エキゾチックショートヘア
どちらも鳴き声が静かで、集合住宅でも飼育しやすい品種です。
お手入れ・被毛ケアの違いは?
ブリティッシュショートヘアのお手入れ
ブリティッシュの短毛はケアが比較的楽です。週1〜2回のブラッシングで毛並みを整えられます。換毛期(春・秋)は抜け毛が増えますが、短毛のため床への散らばりは長毛種に比べて少なめです。
毛が密なため、毛玉ができにくいという利点もあります。
エキゾチックショートヘアのお手入れ
エキゾチックの被毛は短毛でも密度が高く、ペルシャよりはケアが楽ですが、ブリティッシュよりは少し手がかかります。週2〜3回のブラッシングが望ましく、換毛期は頻度を上げることをおすすめします。
また、エキゾチックは扁平な顔のために涙や目やにが出やすい傾向があります。毎日または隔日での目の周りのふき取りが習慣になります。
健康面の違いは?気をつけたい疾患
ブリティッシュショートヘアの健康リスク
ブリティッシュショートヘアは比較的丈夫な品種ですが、肥大型心筋症(HCM)のリスクが一部血統で報告されています。また、成猫になるにつれて体重管理が重要になります。もともと食欲旺盛な子が多く、肥満になりやすいため、フードの量に気をつけてください。
寿命は14〜20年と猫の中でも長寿な品種で、適切なケアで20年以上生きる子もいます。
エキゾチックショートヘアの健康リスク
エキゾチックショートヘアはペルシャ同様の短頭症(brachycephalic obstructive airway syndrome, BOAS)のリスクがあります。鼻腔が狭いため呼吸がしにくく、暑い環境や激しい運動の後に呼吸困難が起こりやすい傾向があります。夏の温度管理は特に重要です。
また、涙点(涙の排出口)が詰まりやすいため、慢性的な流涙・目やにが生じます。これ自体は多くの場合致命的ではありませんが、毎日のケアが必要です。
PKD(多発性嚢胞腎)もペルシャ系品種に多く見られる遺伝疾患で、信頼できるブリーダーではPKD遺伝子検査を実施しています。Flowens Catでもエキゾチックショートヘアについては遺伝子検査を実施した親猫からの繁殖を行っています。
値段(価格)と寿命の違いは?
ブリティッシュショートヘアの子猫の価格相場は20〜40万円程度です。毛色ではブルー(グレー)が最も人気があり、希少なカラーの子は高くなる傾向があります。
エキゾチックショートヘアは20〜45万円程度が相場です。こちらも毛色や顔の扁平さ、血統によって変動します。
寿命の比較ではブリティッシュショートヘアの方が長い傾向があります(BSH: 14〜20年、ESH: 12〜15年)。エキゾチックは呼吸器系のリスクがあるため、適切な環境管理が寿命に影響します。
どちらを選ぶべきか — ブリーダーからのアドバイス
Flowens Cat ではブリティッシュショートヘアとエキゾチックショートヘアの両方を取り扱っています。
ブリーダーとして多くのご家族のご縁を見てきた経験から言えば、選択のポイントはシンプルです。
ブリティッシュショートヘアが向いているご家庭
- 猫のマイペースな関係を尊重したい
- お手入れの手間を最小限にしたい
- 長く一緒に過ごしたい(長寿を望む)
- 暑い地域・マンション暮らし
エキゾチックショートヘアが向いているご家庭
- より丸くつぶれた顔が好み
- 少し甘えてくれる猫が理想
- 毎日の目元ケアを苦に思わない
- 室温管理をしっかりできる環境がある
現在の子猫一覧では両品種の子猫をご覧いただけます。お迎えのご相談はお迎えの流れからどうぞ。
よくある質問
Q. ブリティッシュショートヘアとエキゾチックショートヘアはどちらが甘えん坊?
一般的に、エキゾチックショートヘアの方が甘えん坊な傾向があります。ペルシャの性格を受け継いでおり、飼い主さんへの依存度が比較的高めです。ブリティッシュショートヘアはどちらかというと独立心があり、傍にいるのは好きでも抱っこはあまり好まない子が多いです。「ベタ甘えよりもマイペースな同居人が好き」という方にはブリティッシュが、「もう少し積極的に懐いてほしい」という方にはエキゾチックが向いています。
Q. 鼻が低い猫は健康面が心配と聞きますが、ブリティッシュとエキゾチックでリスクは違いますか?
はい、エキゾチックショートヘアの方が顔の扁平度が高いため、呼吸器系(短頭症)のリスクはブリティッシュより高めです。ブリティッシュも丸顔ですが、鼻の潰れ方はエキゾチックほど極端ではなく、呼吸障害が問題になることは比較的まれです。エキゾチックをお迎えの際は、夏の熱中症対策と、涙・目やにのケアを日常に取り入れてください。
Q. ブリティッシュショートヘアとエキゾチックショートヘアのお手入れの差は大きい?
週1〜2回(BSH)と週2〜3回(ESH)で、差はそれほど大きくありませんが、エキゾチックは目元の毎日のふき取りが加わります。被毛のブラッシングだけ比較すればどちらも初心者が対応できるレベルです。ペルシャ(毎日ブラッシング必須)と比べると、エキゾチックは管理がかなり楽な品種です。
Q. 多頭飼いや他のペットとの相性は?
どちらも温厚で攻撃性が低く、多頭飼いには向いている品種です。ただし、エキゾチックは活動量が少なく体力的に不利な面があるため、活発な猫や犬との組み合わせでは、エキゾチックが追い回されないよう環境を整える必要があります。ブリティッシュは体格がしっかりしているため、多頭飼いでも自分のペースを保ちやすい傾向があります。
Q. ブリティッシュショートヘアとエキゾチックショートヘアの値段はどちらが高い?
相場はほぼ同等で、ともに20〜45万円程度です。どちらも毛色・血統・顔の特徴によって価格が変動します。エキゾチックは顔の扁平さ(よりペルシャに近い顔立ち)が高く評価される傾向があり、「エクストリームフェイス」と呼ばれる極端に扁平な子は高額になることがあります。ただし極端に扁平な顔は呼吸器リスクと直結するため、健康面と外見のバランスを考慮したブリーダー選びが重要です。
まとめ:ブリティッシュショートヘアとエキゾチックショートヘア、選ぶ基準は?
| ブリティッシュショートヘア | エキゾチックショートヘア | |
|---|---|---|
| こんな方に | マイペースな関係・お手入れ簡単・長寿を望む | 丸い顔が好き・少し甘えてくれる猫が理想 |
| 注意点 | 体重管理・抱っこが苦手な場合あり | 目元ケア・夏の温度管理・呼吸器リスク |
| 一言で言えば | 英国紳士の落ち着き | 短毛のペルシャ |
お客様の声では実際にお迎えいただいたご家族のご感想も紹介しています。ご不明な点はよくある質問ページをご覧いただくか、施設一覧からお近くの施設へお気軽にご相談ください。
参考文献・出典
- International Cat Care (iCatCare) — British Shorthair 品種情報 https://icatcare.org/advice/british-shorthair/
- International Cat Care (iCatCare) — Exotic Shorthair 品種情報 https://icatcare.org/advice/exotic-shorthair/
- Cornell Feline Health Center — 猫の遺伝性疾患・心筋症に関する情報 https://www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/cornell-feline-health-center
- 公益社団法人 日本猫連合(JCF) — 品種標準 https://www.jcf.ne.jp/
- Krecny M. et al. (2015) "A retrospective analysis of morphological findings in the hearts of brachycephalic cats" — PubMed https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26119643/



